有料老人ホーム どう選ぶ? 重視サービス決め検討を

2021年8月4日 07時28分
 人生百年時代ともいわれる中、老後の住まいが気になる人も多いだろう。今のわが家で暮らし続けたいと思いつつ、将来の生活支援や介護に不安を感じることも。自宅以外の大きな選択肢となりうるのが、さまざまなサービスが受けられる有料老人ホームだ。選び方のポイントを押さえておきたい。 (佐橋大)

◆民間企業など運営

 有料老人ホームは民間企業などが運営し、施設によって設備や入居費用、サービス内容も異なる。「食事面、医療的ケアへの対応、レクリエーションの充実など、自分が重視することを決めてから探すといい」。公益社団法人「全国有料老人ホーム協会」(東京)の事業推進部課長代理、古川祥子さんは助言する。
 一般的に有料老人ホームは、利用者らが各施設の情報を収集し、見学して契約する。コロナ禍でオンライン上での見学会が増えたが、古川さんは「必ず現地に行って」と強調。室内のにおいや音、雰囲気、日当たりなど、現地でないと分からないことが多いからだ。提供されるサービス内容や、解約予告期間の定めなども、契約時に渡される「重要事項説明書」を早めにもらい、よく確認したい。
 同協会には昨年度、有料老人ホームの契約や料金、サービス内容などに関する相談が三百六十四件寄せられた。「退去時に一カ月分多く入居費用を取られた」「介護サービスで、毎月定額で払っている金額とは別に料金が発生するのは納得がいかない」「服薬管理もしてくれると思ったが、『ホームでは対応していない』と言われた」「家族が口腔(こうくう)ケアのためホームに通っていたが、立ち入りが禁止になった」などの苦情が目立ったという。
 一方で、「いいホームを教えて」「ランキングを教えて」といった漠然とした相談も。「利用者が何を重視するかによって、『いいホーム』像は大きく変わる。まずは自分がホームに期待する内容を具体化することが大事」と、古川さんは指摘する。

◆無料冊子「活用を」

 同協会は七月、無料の冊子「知って納得!有料老人ホーム選び方マニュアル」(A4判、十二ページ)を作成。入居の資金計画に無理がないかを確認できる表などを収め、見学時のチェック表には「協力医療機関からホームまでの距離」「夜間の職員配置」「看取(みと)りの対応」といった見落としがちな事項も盛り込んだ。
 有料老人ホームは都道府県のホームページなどで一覧を見られるほか、同協会でも電話などで相談を受け付けている。古川さんは「冊子も活用して、自分に合った住まいを安心して選んでほしい」と話す。
 ◇ 
 冊子の希望者は、はがきに〒住所、氏名、電話番号、性別、年齢、必要部数、「マニュアル送付希望」と書き、〒103 0027 東京都中央区日本橋3の5の14 アイ・アンド・イー日本橋ビル7階、全国有料老人ホーム協会「選び方マニュアル」送付希望中日新聞係に送る。協会ホームページの問い合わせフォームからも申し込める。(問)同協会=電03(3272)3781
<有料老人ホーム> 高齢者を入居させ、食事、介護などのサービスを提供する集合住宅。介護サービスを原則内部で提供する「介護付き」と、外部の介護事業者と契約して受ける「住宅型」などがある。厚生労働省によると、施設数は昨年6月時点で1万4695。

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