川井友香子、あこがれの存在に肩を並べ「いい形でつなげられたかな」 さあ、姉妹金メダルへ<女子レスリング>

2021年8月5日 00時25分
 姉妹で五輪金メダルという壮大な夢へ、大きな勝利をつかんだ。東京五輪第12日の4日、レスリング女子62キロ級の川井友香子(23)=ジャパンビバレッジ=が初の五輪で優勝を飾った。「いい形で梨紗子につなげられたかな」。翌日(5日)に決勝を迎えるあこがれの姉、川井梨紗子(26)=ジャパンビバレッジ=に、最高の形でバトンをつないだ。(多園尚樹)

女子62キロ級決勝で優勝し、金メダルを掲げる川井友香子=いずれも幕張メッセで

 いつも、一歩先を歩むのは姉だった。生まれた順番はもちろん、レスリングを始めたのも、大会での実績も。「ずっと梨紗子が目標で、あこがれだった」と妹は明かす。

◆姉の練習相手として感じたリオが原動力

 5年前のリオデジャネイロ五輪。梨紗子選手は、現地に帯同する練習パートナーとして妹を指名した。熱気うずまく大観衆が見守る会場で、姉は万雷の拍手を浴びた。喜びはもちろん大きかったが、「一番近い存在だけど選手としてはどんどんかけ離れていくなあ」。どこか寂しさも感じた。
 ただ、あの光景が前に進む原動力になった。「いつか私も近づきたい」。東京五輪が現実の目標になった。
 道のりは楽ではなかった。姉は五輪4連覇の伊調かおり(37)と国内で激しく代表を争った。2018年12月の全日本選手権で敗れた直後には「レスリングを辞めたい」とまで漏らした。「あんな梨紗子の姿を見るのは初めてだった。どう声を掛けていいかも迷った」
 伊調に雪辱した姉と挑んだ19年世界選手権。姉がすんなりと五輪切符をつかんだ一方、今度は自らが3回戦で敗退した。コーチの言葉や姉、現地に来てくれていた母の初江さん(51)の励ましで、前を向いた。

◆2人のストーリーはいよいよフィナーレへ

 2人でつかんだ五輪切符。勝負の一戦が始まった時、姉の姿は観客席になかった。翌日に決勝を控え、体重調整に取り組む必要があったのだろう。

川井友香子の決勝をスタンドから応援する姉の梨紗子

 後半が始まってすぐだった。あわてて会場に駆け込むTシャツ姿の女性がいた。6分間の熱戦が終わり、観客席に向かった両腕を突き上げる友香子選手の視線の先で、姉が号泣していた。
 これまで、2人で出場した国際大会は常に姉の成績が上だった。あこがれの存在に、ついに肩を並べた。「今までたくさん支えてもらった分、明日は私が全力でサポートする」。姉妹の夢物語が、いよいよフィナーレを迎える。

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