試合中もマスク「家族を守るためだ!」 バレーボール男子ブラジル代表・サートカンプ選手の徹底ぶり

2021年8月6日 10時30分
 東京五輪バレーボール男子ブラジル代表にマスクを着けたままプレーをする異色選手がいる。ミドルブロッカーのルーカス・サートカンプ選手(35)で、母国の家族のために新型コロナウイルスの感染対策を徹底している。5日の準決勝で敗れたが、7日に銅メダルを懸けて3位決定戦に挑む。

マスクを着けたままプレーするバレーボール男子ブラジル代表のルーカス・サートカンプ選手=7月26日、東京で(AP)

 209センチの長身と黒いマスクは相手に威圧感を与える。5日、ロシア・オリンピック委員会(ROC)との準決勝で得意の速攻やブロックを連発。得点後も「気持ちを出し過ぎるとプレーが乱れる」と歓喜の輪に加わらず、淡々と次のプレーへと準備する職人だ。
 コロナ禍の東京大会は選手にマスクの着用が義務づけられるが、試合や練習時は外していい。

◆怖さ知るからこそ 1月に新型コロナ感染

 「試合中も着用するのは家族を守るためだ。妻は娘を出産してまだ2カ月。5歳の長男は元々肺が弱いんだ」と明かした。取材陣に「苦しくないのか」と問われると、「パンデミック(世界的大流行)になってからずっとこの生活。問題ない」と一蹴しているという。
 口と鼻を覆い続けるのは誰にとっても窮屈。国や競技によっては気が緩み、マスクを外して話す選手・関係者の姿が常態化している。サートカンプ選手自身は1月に新型コロナに感染し、その恐怖を知る。五輪前にワクチンを接種したが、万一を考えて窮屈な生活も受け入れる。
 心の強さはプレーにも。ROC戦でもチーム2位の13得点と気を吐いた。母国開催の前回大会に続く連覇の夢は消えたが、「五輪でメダルを取ることはわれわれの義務。最大の努力をしたい」。父親の元気な体と輝くメダル。両方ともブラジルの家族に持ち帰るつもりだ。(原田遼)

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