<つなぐ 戦後76年>「語り継ぐのが使命」 「被爆2世」の辻本さん、今年から担い手に 宮前・高津で「原爆展」始まる

2021年8月7日 07時19分

被爆の実相を伝えるパネルなどが並ぶ「2021・宮前区原爆展」=宮前市民館で

 広島への原爆投下から七十六年になる六日、川崎市宮前、高津両区で被爆の実相を語り継ぐ「原爆展」が始まった。「2021・宮前区原爆展」の活動に、今回新たに加わったウェブデザイナーの辻本文(あや)さん(58)=同区在住=は「私は被爆二世。語り継いでいく担い手になりたいし、自分の使命じゃないかな」と語る。(石川修巳)
 会場の宮前市民館ギャラリーに入ると、七十六年前のあの日のように、今を盛りと鳴き立てるセミの声が響いた。「展示資料とともに、当時の状況を立体的に伝えたくて音の活用を提案しました」と辻本さん。
 看護師だった祖母が広島弁で語る被爆体験を、幼い頃から耳にしてきた。原爆が投下された八月六日午前八時十五分、家庭で黙とうするのも当たり前だった。「核兵器は絶対いけないんだという思いは、体に染み込んでいます」
 実は、三年前に他界した父も被爆者だったことが、亡くなる数カ月前になって分かったという。辻本さんは昨年の原爆展を訪れ、「私も手伝います」と申し出た。
 実行委員長の今川幸子さん(79)は、辻本さんの提案も取り入れながら「若い世代が被爆の実態を知り、平和の尊さを心に留めてほしい」と願う。辻本さんは「微力だけれども、根気強くコツコツと語り継いでいきたい。知識だけでなく、これからどうすべきかも考えてもらえるように、次に向けて何ができるか思案中です」と話している。
 宮前区原爆展は「東日本大震災・福島原発事故の10年」や、「私たちの町はかつて軍用地だった」と題して、陸軍東部六二部隊の記録なども展示。高津市民館で開かれている「第二十四回 核兵器廃絶のための高津区原爆展」には、核兵器禁止条約の発効と現状、市立東橘中学校の平和学習資料などが展示されている。
 いずれも十一日までの午前九時〜午後五時、入場無料。

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