選手村で使った皿はトイレットペーパーに、廃プラで表彰台 五輪が示した「持続可能な社会」への一歩

2021年8月7日 10時30分
<取材メモ>
 「昨日生まれたばかりのトイレットペーパーです」
 8月5日、東京五輪のメインプレスセンターでの記者会見で、大会組織委員会の持続可能性部長を務める荒田有紀さんは、手元のトイレットペーパーを掲げた。

記者会見でトイレットペーパーを掲げる組織委持続可能性部長の荒田有紀さん=国際オリンピック委員会(IOC)のホームページから

 選手村の食堂では、紙製の皿で食事が提供されている。使用後の紙皿はソースや油で汚れているが、日本独自の技術で汚れを落としてトイレットペーパーに再利用しているという。
 大会では持続可能な社会の実現に向け、環境に配慮したさまざまな取り組みがなされている。例えば選手に贈られる計5000個のメダルは、使用済み携帯電話などの小型家電から取り出したリサイクル金属を原材料に製作された。「都市鉱山」に眠る金属の重要性に気付いてもらうのが狙いだ。
 またメダリストたちの表彰台は廃プラスチックから作られた。洗剤の空きボトル約40万本分に相当する量の廃プラスチックが使われているという。
 一方で、開会式ではスタッフやボランティア向けに発注した弁当約1万食のうち、約4000食が消費されず処分された。余った分は飼料などのリサイクルに回したとするが、食品ロスの課題が残った。
 持続可能な社会の実現には息の長い取り組みが不可欠。先進的な取り組みや、見えてきた課題をどう社会に生かしていくか。五輪後が本番だ。(藤川大樹)

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