「もっと重症でなければ、入院先はない」…五輪閉会日も東京のコロナ患者4000人台、多忙の保健所

2021年8月8日 18時46分
日曜もコロナ感染者の電話対応に追われる職員ら=東京都港区のみなと保健所で

日曜もコロナ感染者の電話対応に追われる職員ら=東京都港区のみなと保健所で

 東京五輪が閉会する8日、東京都内では新たに4066人の新型コロナウイルス感染者が確認され、5日連続で感染者が4000人を超えた。東京都内の保健所を訪ねると、日曜日にもかかわらず、職員らが感染者への電話対応などに追われていた。

◆血中酸素濃度80%台でも入院できず

 東京・港区みなと保健所では、職員約30人がひっきりなしに、急増する感染者への聞き取りや健康観察の電話をかけていた。
 「なかなか入院できなくなり、今は10人以上が病床の空きを待っている。療養用ホテルへの入所も40人以上が待機している」
 大量の感染者のファイルに囲まれながら、二宮博文課長が説明した。血中酸素濃度が正常値を下回る80%台でも入院できなかったり、届け出から2日たっても病院や療養施設に入れなかったりすることが常態化しているという。

◆無症状の若者は後回しに

 同保健所で対応中の感染者は約1200人。平日は80人、週末は30人態勢で深夜まで勤務する。電話回線が足らず、携帯電話も使う。それでも、感染者への聞き取り電話は届け出の翌日になることも。無症状の若い世代は後回しにせざるを得ない。
 夜間に「呼吸が苦しい」と訴える感染者に「もっと重い症状でなければ、入院先はない。つらいだろうけど、往診を手配するから朝まで我慢して」と説明することも。自宅療養への不安から、職員に電話で食ってかかる人もいる。
 毎日の感染届け出数は、五輪が開会した7月下旬の週は100件足らずだったが、8月に入ってからは200人以上の日が続く。

◆五輪の影響は「分からない」

 港区のホテルに泊まる大会関係者は多く、数人の感染も見つかった。区民への感染例はなく、松本加代所長は「五輪から感染が広がったという感覚はない。五輪の影響で人出が増えたかは分からない」と言う。
 男性職員の1人は「こんな状況で五輪を開催するのか、という気持ちはある」と疲れた表情で話しながら「でも、昨日の野球の金メダルは良かった。好きな広島の選手も活躍し、ちょっと気分転換になった」と目を細めた。(宮本隆康)

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