服部勇馬は深部体温40度以上、執念の完走も重い熱中症…男子マラソンは湿度80%、30人棄権の過酷レースに

2021年8月8日 19時51分
陸上男子マラソン 73位でゴール後、車いすで運ばれる服部勇馬=札幌市内で(代表撮影)

陸上男子マラソン 73位でゴール後、車いすで運ばれる服部勇馬=札幌市内で(代表撮影)

 ふらふらになり、足取りがおぼつかない中、歯を食いしばって最後まで走り切った。8日に行われた東京五輪の男子マラソンで、服部勇馬(27)=トヨタ自動車=は2時間30分8秒の73位でゴールにたどり着くと、倒れ込み、車いすで医務室に運ばれた。深部体温が40度以上になり、重い熱中症の症状だった。
 「何度も棄権が頭をよぎったが、支えてくれた方、これまで戦ってきた選手の思いを踏みにじるようなことは絶対にしたくなかった」
 ここ数カ月はアキレスけん痛や膝の痛みがあり、何度も「スタートラインに立てないのでは」と不安の日々を過ごしてきた。だが、レースが始まれば迷いはなかった。20キロ付近まで先頭集団に食らいつき、今大会に懸ける覚悟をみせた。
 「この悔しい経験を忘れず、パリ五輪で勝負できるように精進していきたい」と3年後の雪辱を誓った。(森合正範)

   ◇   ◇

◆ロンドン金メダリストも…高湿度はリスク高

 東京五輪最終日の8日、札幌市内で行われた男子マラソンは過酷なレースとなった。スタートラインに立った106選手のうち、30人が熱中症症状などで途中棄権した。
 その中には2012年ロンドン五輪金メダルのキプロティク(ウガンダ)ら実力者も。途中まで先頭集団を走っていたドナシメント(ブラジル)が25キロ付近で転倒し、一度は立ち上がって走り出したが再び沿道に倒れ込むと救護の係員が駆けつける姿がテレビにも映された。また、服部勇馬も完走するのが精一杯。ゴール直後に倒れ込み、車いすで運ばれた。
 この日の気温は午前7時のスタート時に26度、ゴール時の9時頃は28度。時折日は差す程度でかんかん照りというほどではなかったが、湿度はスタート時に80%あり、9時過ぎは72%と蒸し暑かった。東京都医師会は「気温が高くなくても湿度が高いと熱中症で救急搬送されている。(室内では)湿度70%以下になるよう調整を」などと湿度による熱中症リスクに警鐘を鳴らしている。
 前日の女子マラソンは暑熱対策のために開始が1時間前倒しの午前6時に変更されたが、男子は気象面の懸念がないとして、午前7時のままだった。

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