フランス「ワクチン接種証明書」の提示義務拡大に抗議デモ23万人 9日から本格導入

2021年8月8日 19時28分
7日、パリで行われたワクチン接種証明書に反対するデモで複数の言語で「自由」と書かれたボードを掲げる男性=AP

7日、パリで行われたワクチン接種証明書に反対するデモで複数の言語で「自由」と書かれたボードを掲げる男性=AP

 【パリ=谷悠己】新型コロナウイルスワクチンの接種証明書「衛生パス」の提示義務を拡大したフランス政府への抗議デモが7日、4週連続で行われ、全土で23万7000人(仏内務省調べ)が集まった。前週より約3万人多く、9日からの本格導入を前に抗議の意思を示した。
 AFP通信によると、マクロン大統領の保養先に近いコートダジュール地方のトゥーロンではパリより多い1万9000人がデモに参加。マクロン氏を批判する声が多く上がった。
 衛生パスは、関連法の違憲性を審査する仏憲法会議が「合憲」と判断したことを受け、9日から飲食店や長距離移動の交通機関、病院などでの提示が義務付けられる。入店後に不携帯が確認された人には135ユーロ(約1万7000円)の罰金が科され、店側にも確認義務が生じる。
 仏紙レゼコーなどの世論調査では、飲食店での義務化には77%、交通機関には80%が理解を示した一方、抗議デモへの共感は37%にとどまる。2018年の反政府デモ「黄色いベスト運動」が発生当初に73%の共感を集めたことに比べ、今回のデモは国民的な理解を得ているとは言い難い。マクロン氏は仏誌パリ・マッチのインタビューでデモ参加者を「理性を失い、民主主義を脅かしている」と非難した。
 それでも、デモ参加者は週を重ねるごとに増えており、パス活用によるワクチン接種率の向上がコロナ禍収束の切り札だととらえる政権との間で社会的分断が浮き彫りになっている。

関連キーワード


おすすめ情報

国際の新着

記事一覧