東京都 五輪の赤字穴埋め重い課題 既に7000億円超支出、さらに負担も

2021年8月8日 20時27分
東京五輪閉会式に出席するため、都庁を出発する小池百合子知事

東京五輪閉会式に出席するため、都庁を出発する小池百合子知事

 東京五輪が閉会する8日、東京都庁の南北展望室には、新型コロナウイルスワクチンの接種会場が設けられ、医療従事者や飲食店関係者らが接種に訪れた。中には五輪に複雑な思いを抱く人もいた。五輪は大半が無観客開催となり、都にとっては新たな費用負担が生じる可能性がある。   
 午後2時ごろに2度目の接種を終えた東京都世田谷区の成田孝浩さん(47)は、都庁2階の五輪展示スペースへ。大会を振り返り「フェンシングがよかった」と笑顔を見せた。それでも自身の経営する料理店は緊急事態宣言に伴う休業や時短営業の要請で客足が離れたまま。「五輪は好きだし選手はすごいと思う。だけど騒いでいる人たちを見るとモヤモヤしますね」
 都内の新型コロナ感染状況の概要が発表される午後4時45分。新規感染者は日曜日としては過去最多となる4066人に上り、登庁していた都職員は「とにかく増え方がすごい。いったいどこがピークなのか…」と漏らした。新規感染者数の7日間平均は、五輪開幕日の1386人から約3倍増の4037人になった。
 一方、大半の競技が無観客開催となったことで、900億円を見込んでいたチケット収入の大部分は消滅。公費補てんが避けられない情勢で、大会後には“赤字”の穴埋めが大きな課題となる。
 招致時の立候補ファイルは「組織委が資金不足に陥った場合は、都が補てんする」と明記。すでに7000億円以上を支出している都は「大会後に政府や組織委など関係者間で協議する」としているが、さらなる負担を強いられる可能性がある。
 小池百合子知事は午後6時前、閉会式に出席するため、大会関係者パスを首から提げた姿で都庁を出発。大会の総括を尋ねようとした報道陣に「これから閉会式なので。すみません」とひと言だけ発して、国立競技場に向かった。(岡本太)

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