東京五輪 コロナ拡大の中で閉会…他国選手と肩組む姿少なく、参加者4500人どまり

2021年8月8日 23時32分
緊急事態宣言下、無観客で行われた東京五輪の閉会式=8日、国立競技場で

緊急事態宣言下、無観客で行われた東京五輪の閉会式=8日、国立競技場で

  • 緊急事態宣言下、無観客で行われた東京五輪の閉会式=8日、国立競技場で
  • 閉会式で入場する日本選手団=国立競技場で
  • 無観客の中、降ろされる五輪旗=国立競技場で
 第32回夏季オリンピック東京大会は8日、東京都新宿区の国立競技場で閉会式を行い、17日間の日程を終えた。1964年以来2度目の東京大会は新型コロナウイルス感染症により史上初めて1年延期され、会場のある9都道県のうち6都道県で無観客開催となった。期間中も大会の内外で感染は止まらず、検査陽性により棄権を余儀なくされる選手もいた。開催地の財政的負担や酷暑で相次いだ日程変更も含め、五輪の負の側面が強調された大会となった。(原田遼)
 蒸し暑さの残る午後8時に閉会式はスタート。盛大に花火が打ち上がったが、観客は入っておらず、大会関係者や報道陣の拍手だけがまばらに響いた。
 205の国・地域ごとに入場した開会式と異なり、全選手団の旗と旗手が一斉に登場。その後、選手たちは自由な順番で入場した。ごちゃまぜで入場する方式は、1964年の前回東京大会の閉会式で定着し、平和の象徴として以降の五輪に引き継がれた。
 ただ今回は、新型コロナ対策で周囲との「社会的距離」を取るように呼び掛けられているせいか、他国選手と肩を組んで歩くなどの場面は少なく、自国の選手たちで記念撮影をするなどして楽しんでいた。
 競技終了の2日後には選手村を離れなくてはならないルールもあり、閉会式の参加選手は約4500人で、過去大会よりは少なかったとみられる。
 それでも入場行進後、音楽やダンスが行われたステージの周りで選手が「密」に。うだるような暑さでマスクを外す選手も少なくなかった。マスクの義務化など選手の行動規範「プレーブック」を作ったものの徹底はできず、暑さにも苦しめられた大会を象徴するような光景だった。
 コロナ禍ならではの取り組みも。五輪旗は小池百合子東京都知事から国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長に返され、次の開催地パリのイダルゴ市長に手渡された。通常、閉会式では次回開催地を紹介するステージがあるが、今回はパリのエッフェル塔やノートルダム大聖堂と中継をつないで行われた。
 閉会のあいさつで大会組織委員会の橋本聖子会長はボランティアや医療従事者に感謝を伝えた後、「アスリートとスポーツの力によって未来への扉が開かれた。スポーツには世界と未来を変える力がある。この力がパリ大会につながれていくと信じている」と述べた。
 バッハ会長は「パンデミック(世界的大流行)が始まってから全世界が一つになった」と大会を自画自賛した。
 大会中も開催への論争がうずまいた異例の五輪。最後に太陽をモチーフにした聖火台が花びらのように開いた状態から元の球体に戻り、聖火は消えていった。

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