東京五輪 賛否渦巻くまま閉会「最終的に良かった」「感染広がり、医療現場が疲弊」 

2021年8月8日 22時08分

閉会式がはじまり、混雑する国立競技場周辺

 東京五輪の閉会式が始まった8日午後8時、国立競技場から花火が打ち上げられると、周辺の歩道を埋めた人たちから「オーッ」と歓声が上がった。

◆国立競技場

 踊りながら競技場のフィールドに入場する選手。ライバルと笑顔で記念撮影する選手…。周辺に集まった人たちは、式典の中継を、スマートフォンで見ながら、閉会式の雰囲気を味わった。
 五輪グッズを購入したという大阪府の渡部剛夫さん(41)は「選手たちが活躍する姿を見て感動した。普通に楽しかった。最初はコロナ禍でやるのはどうかなというのはあったが、最終的には良かったのでは」と感想を語った。
 東京都文京区の山口広義さん(86)は「金メダルがたくさんとれて、この前(1964年)のオリンピックと同じぐらい良かった」と破顔一笑。「コロナはだれの責任でもなく、それをどう乗り越えるかだった。大成功じゃないか」と総括した。
 通りすがりだという車いすの神奈川県の30代の男性は「選手が活躍したとはいえ、『これで良かったね』で終わらせてはいけないと思う。コロナのことなどをきちんと振り返って反省してから、パラリンピックを開催してほしい」と願った。
 一方、デモ参加者は太鼓を打ち鳴らしながら、「オリンピックはいらない」とシュプレヒコールを上げた。
 茨城県つくばみらい市のヘルパー野口修さん(65)は「オリンピックはあまりにも商業的になりすぎた。安倍前首相が『(福島第一原発は)アンダーコントロール』と発言した時点からボタンを掛け違えていた」と主張。東京都東大和市のパート職員伊川実花さん(58)は「コロナの感染が広がり、医療現場も疲弊した。スポーツを通して平和に、という理念はねじまげられた。これからのオリンピックにも反対です」と語気を強めた。

◆夢の大橋

第二の聖火台の周辺は大勢の人でにぎわった

 第2の聖火台が設置された東京都江東区の夢の大橋はこの日、閉幕前に聖火を見ようと多くの人が訪れた。開幕前は五輪開催に反対だったという同区の山縣敏子さん(77)は「連日、テレビで選手の活躍する姿を見ていて、開幕したことで選手の苦労が報われて良かったと思う」と笑顔を見せた。
 横浜市から訪れた主婦(44)は中学1年の長女とスマートフォンで記念撮影。「野球と空手のチケットが当たっていたので、できれば観戦したかった」としつつも、「フェンシングが特に面白かった。娘もやってみたいと言っているので、結果的にテレビ観戦でも良かった」と語った。(佐藤大、山口登史)

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