<コロナと生きる@いばらき>酒類の停止「死活問題」 まん延防止 38市町村で開始 販売業者など不安

2021年8月9日 07時23分
 政府の新型コロナウイルス特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」が八日、本県で始まった。対象は三十八市町村で、期間は三十一日まで。県は、対象区域の飲食店に酒類提供の終日停止などを求めていることから、大打撃を受けるのが居酒屋や酒の小売店だ。営業時間短縮の要請など断続的に続く「酒」の狙い打ちに、関係者からは「死活問題だ」と不安の声が上がる。(松村真一郎)

酒を置く店舗の倉庫で「自分たちにももっと目を向けてほしい」と話す小牧健夫さん=水戸市見和2で

 「時短営業を何度も出されて、今度はお酒を出せなくなった。心が折れそうだ」。JR水戸駅北口に近い宮下銀座商店街(水戸市宮町二)のバー「アンバランス」店主の紺野芳臣さん(49)は、そうため息をつく。
 県は、県内四十四市町村のうち、日立、高萩、大洗、城里、大子、河内の六市町を除く三十八市町村を重点措置の対象区域に指定。飲食店に午後八時以降の営業自粛や、酒類の提供、カラオケ設備の利用を終日停止するよう要請している。
 酒が出せないことから、居酒屋が集中する宮下銀座では、八日からの休業を知らせる張り紙を掲示する店が多く見られる。
 紺野さんは当初、午後八時までノンアルコールカクテルを提供して営業を続けることも検討したが「お酒がないとお客さんも来てくれない」と月末までの休業を決めた。
 同じく宮下銀座にある「大衆酒場 鳥らんど」も、当面は店を閉める。店主の葛野国義さん(43)は「いつも飲食店が標的にされることに我慢ができない」と憤る。
 店内では、席の間に間仕切りを設置するなど、感染症対策をしており「飲食店以外でも感染者は出ている。飲食店が感染拡大の原因だと言うのであれば、その根拠をしっかりと示してほしい」と苦言を呈した。
 一方で、居酒屋やレストランに酒を販売している小売業者も、酒が提供できなくなることを不安視する。水戸市見和二の「酒や こまき」店主の小牧健夫さん(73)は「店からの注文がなくなってしまうのでは」と頭を抱える。
 この店の売り上げは、居酒屋やスナックとの取引が九割ほどを占めている。飲食店の客離れもあって、コロナ前と比べると「いい時で半分ほど」と状況はかなり厳しい。
 政府は、七月十二日から東京都に緊急事態宣言が発令されるのに合わせて、コロナ対策で酒の販売業者に対して、停止要請に応じず酒の提供を続ける飲食店との取引を停止するよう要請。業界からの反発を受けて、その後撤回した。
 小牧さんは「そんなことしたら、取引先との長年の信頼関係が崩れる。あり得ない話で、業者のことを理解していない」と眉をひそめる。
 その上で「飲食店には協力金があるが、私のような業者にはほとんどない。こちらにももっと目を向けてほしい」と財政支援の拡充を求めた。

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