コロナ禍の東京五輪、開催控えるフランスや中国で好評 「運営のヒントに」「希望という名の贈り物」…米では「暗黒世界」と否定的

2021年8月9日 19時21分

東京五輪の閉会式で打ち上げられた花火=8日、国立競技場で

 8日に閉幕した東京五輪の大会運営について、米国では否定的な声が多く聞かれた一方、次回の夏季、冬季大会をそれぞれ控えるフランスと中国では好意的な評価が目立った。

◆米「矛盾の五輪」の声

 米ワシントン・ポスト紙は、無観客開催で「力を発揮させてくれるファンがおらず残念」とするビーチバレー選手の声を紹介。ウォールストリート・ジャーナル紙は検査で陽性となり、ホテルの部屋に隔離されて縫いぐるみと過ごした選手の例を報じ、「ディストピア(暗黒世界)」と評した。
 コロラド州の中学教師イザベラ・ファンさん(25)は「東京に緊急事態宣言が出た時点で中止すべきだった」と指摘。カリフォルニア州の大学院生シージェー・サラパレさん(23)は「コロナ危機を見て見ぬふりはできないという矛盾を感じた五輪だった」と話した。

◆パリPV会場に6000人

 2024年に次回の夏季五輪を開催するフランス・パリでは8日、エッフェル塔前のパブリックビューイング(PV)会場に6000人の上限を超える人が詰め掛け、入場待ちの列ができた。
 大会運営についても仏メディアは好意的な報道が多く、仏紙ルモンドは各会場のボランティアによるもてなしをたたえる記事を掲載。パリ五輪でメディアセンターが設置されるパリ郊外ドゥニーのカンタン・ジェセル市長は「過去にない特殊な状況を考えると東京大会の運営はベストだったと思う。日本側と連絡を取り合って運営のヒントを得たい」と話した。

◆中国紙、獲得メダル数に「少し残念」

 東京五輪の閉幕とともに、来年2月に控えた「北京冬季五輪の季節」(中国紙、環球時報)に入った中国。欧米の五輪ボイコット論に頭を悩ませるなか、官製メディアは「東京五輪の成功は希望という貴重な贈り物をもたらした」(9日付中国英字紙、チャイナ・デイリー)などと伝えた。
 一方、金メダルの獲得数では、トップを序盤から維持しながら最終盤で米国に抜かれて一つ差の38個となり、「少し残念」(中国紙、環球時報)などと報じられた。(ニューヨーク・杉藤貴浩、パリ・谷悠己、北京・中沢穣)

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