鎌倉・脱原発デモの「その後」 女性ら中心に「発酵」する姿を映画に 14日から横浜で上映

2021年8月10日 07時05分

映画「発酵する民」の一場面。盆踊りを練習する女性たち(©福々映像)

 福島第一原発事故後に鎌倉市内で脱原発パレード(デモ)を行った女性たちを中心に、食や地域の文化を見つめ直す市民らの動きを追ったドキュメンタリー「発酵する民」が十四日から横浜市中区のシネマ・ジャック&ベティで上映される。監督した鎌倉市在住の映像作家平野隆章さん(40)は「デモの『その後』を描きたかった」と語る。(石原真樹)
 作品の中心となる女性たちは二〇一一年、楽器を鳴らしたり踊ったりしながら脱原発を呼び掛けて市内を歩いた。これを機に盆踊りグループ「イマジン盆踊り部」を結成。映画は、原発に頼らない生活を模索する中で「発酵」に目を留め、発酵をテーマにした盆踊りを創作したり、地域の人とつながりながらみそを造ったりする姿を描く。
 平野さんは震災直後からインターネット放送局「アワープラネットティービー」のカメラマンとして脱原発に取り組む市民を追い、一一年四月に初めて鎌倉の脱原発パレードを取材した。東京の緊迫した雰囲気とは違い、どこか楽しそうにのびのびと取り組む様子が心に残った。一七年に移住し、一八年まで撮りためた映像を映画にまとめた。
 「国会前に集まった人が、地元に帰って何をするかが大事だと思っていた」と平野さんは取材の動機を語る。「鎌倉の人たちは、食など身近なところで原発事故と向き合い、生活を見直そうとしていた。3・11後に生まれた新しい価値観を描きたかった」
 微生物が物質を分解し変化させる発酵は「次世代にバトンを渡す作用」と平野さん。時間をかけて変わろうとする女性たちの姿と重なったという。その逆が腐敗だ。「権力者などが自分の利益を追求し、人に優しくない今の社会は腐敗していると感じる。発酵は社会を考えるヒントになるのではないか」と力を込める。
 上映は二十日までは連日午前十一時から、二十一日以降は未定。前売り券千四百円、当日券は一般千八百円など。

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