<ぱらぱらじっくり 教育に新聞を>支援学校でのNIE 写真、見出しで興味引き出す

2021年8月10日 08時54分

新聞の活用法について先生たちが考えた=千葉県市川市立須和田の丘支援学校で

 障害のある子どもたちの学びにも新聞を役立てたい−。千葉県市川市の市立須和田(すわだ)の丘支援学校で七月末、東京新聞のNIEアドバイザーを講師に招いた「NIE研修会」が開かれた。同校で障害児教育を担う先生たちが、新聞を授業でどんなふうに使うと子どもたちのためになるかという課題に向き合った。
 「写真がものすごく重要なアイテム。できるだけタイムリーなものがいいです」
 講師の武藤和彦アドバイザーが、三十年以上に及ぶNIE実践経験を基にまず助言したのは、新聞紙面に掲載された「写真」の活用だ。
 「十三歳の子が金メダル取っちゃいました。この子の写真が一枚あるだけで、児童・生徒は、きっと興味を持つ。写真の選手本人がどうつぶやいたか想像させてみる。あるいは、自分ならこの選手にどう声をかけるか考えさせてみるのはどうでしょう?」
 二つの異なる新聞に載った同じニュースの写真を比較して、違いや共通点を探す学びについても紹介した。
 そして次に挙げたのは「見出し」の活用。自分の名前を構成する漢字やひらがなを、新聞の見出しから探し出して切り抜くというゲームを参加者全員でやってみた。
 「十分間でどこまでやれるか挑戦してみて。見つけたらこのワークシートに貼ってください」との声掛けでスタート。先生たちは一人一部ずつ配られた東京新聞朝刊をバサバサめくり、はさみを入れていた。「集中力を養うのにとてもいいと思います」と武藤アドバイザー。
 見出しが紙面で放つ力についても取り上げた。七月二十日の朝日新聞朝刊に掲載されたニトリホールディングス会長・似鳥昭雄さんへのインタビュー記事のケースに言及。「実は似鳥さん、発達障害だったんですね。(小学四年生のとき自分の名前の)漢字が書けなかったのだそうです。この記事の見出しが、ものすごくいろいろなことを教えてくれる。『好きなことは集中』『長所で短所隠れる』…。見出しを読むだけで、障害のある子どもたちへの励ましになるのではと感じます」
 知的障害のある子どもたちが通う須和田の丘支援学校には、須和田校舎で中・高等部の生徒らが、稲越校舎で小学部の児童らが学ぶ。文字の読み取りが苦手な子どもも含まれるが、昨年度からNIE実践指定校としてさまざまな取り組みを進めている。
 今春、先生になったばかりという参加者は「自分の好きな写真を見つけるところから始めるのは、ひとつのアイデアだと思いました。漢字を探す作業もおもしろい」と感想を話していた。 (東松充憲)

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