米国がベラルーシに経済制裁 「欧州最後の独裁者」ルカシェンコ大統領に圧力 英国・カナダとも連携

2021年8月10日 18時00分
7月23日、ベラルーシの首都ミンスクで開かれた会合で話すルカシェンコ大統領=AP

7月23日、ベラルーシの首都ミンスクで開かれた会合で話すルカシェンコ大統領=AP

【ワシントン=吉田通夫】米財務省は9日、ベラルーシのオリンピック委員会や閣僚など、計44の団体と個人を制裁対象に指定したと発表した。ベラルーシ大統領選での不正疑惑と反政府デモの弾圧から1年を迎えたのに合わせ、英国やカナダとも連携して「欧州最後の独裁者」と呼ばれるルカシェンコ大統領への圧力を強める。
 対象者は米国内の資産が凍結され、米国人との経済的な取引も原則として禁じられる。バイデン大統領は声明で「ルカシェンコ政権は国民の明確な意志を尊重するどころか、不正選挙を犯し、さらに反対意見を封じるため残忍な弾圧をした」と批判。「米国は同盟国とともに、ルカシェンコ政権の責任を追及し、人権と表現の自由を支持し続ける」と表明した。
 米財務省によると、ベラルーシのオリンピック委員会は、政権幹部らの資金洗浄や制裁逃れに利用されてきたという。会長はルカシェンコ氏が務めてきたが、政権に批判的な選手を差別しているとして、国際オリンピック委員会(IOC)が昨年12月に資格を停止。今年2月からは長男が会長に就いたがIOCは認めていない。8日に閉幕した東京五輪では、陸上代表の女性選手がコーチへの不満を公言し帰国を命じられたが、拒否してポーランドに亡命する騒動があった。
 カナダもベラルーシの政権幹部ら72人との経済的な取引を原則禁止。英国はベラルーシからの航空便の着陸を禁じた。欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表も8日の声明で追加制裁の可能性を示唆した。
 米英カナダとEUは、昨年の不正選挙疑惑とデモ弾圧や、今年5月にベラルーシ当局がアイルランドの旅客機を強制着陸させ独立系ジャーナリストを拘束した問題を受け、累次の制裁を科してきた。これに対し、ロシアはベラルーシへの支援を表明している。

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