臨時国会、いつまで拒否するのか 説明避ける菅政権 自民改憲草案に「20日以内召集」とあるけれど…

2021年8月12日 06時00分
 立憲民主党の安住淳国対委員長は11日、自民党の森山裕国対委員長と国会内で会談し、新型コロナウイルス対策などを審議するため、早期に臨時国会を開くよう要求した。森山氏は、国会閉会中でも委員会によっては閉会中審査を行っていることを理由に、国会開会を事実上拒否。臨時国会召集は憲法五三条に規定があっても、政府・与党は、短時間で終わる閉会中審査にとどめ、十分な説明を尽くそうとしていない。(山口哲人)

◆コロナ・五輪対応「説明を」

 「感染が異常な拡大を示している中、国会を開かないで、国民に対する責任を果たせると言えるのか」
 安住氏は11日、森山氏が臨時国会召集に応じなかったことへの不満を記者団に語った。
 新型コロナの爆発的な感染拡大で、東京では重症者が過去最多を連日更新。医療体制の逼迫ひっぱくで、27の大学病院が集中治療室(ICU)での患者受け入れを制限したという調査結果も公表された。菅義偉首相は、東京五輪について「開催国としての責任を果たし、無事に終えることができた」と誇るが、五輪の高揚感が感染拡大を招いたとの見方は強い。

◆ダメージ回避狙いか

 ワクチンの2回接種を今月下旬までに全国民の4割超が終えるとした首相の目標が実現するのかなど、国民が国会審議で知りたいことや疑問は数多い。
 しかし、森山氏は「政府はコロナ禍への対応に大きく仕事を割いている」などと記者団に語り、臨時国会召集を否定。厚生労働委員会などでの閉会中審査で対応すると説明した。
 与党が国会召集に応じないのは、全国的な感染者急増について政府の責任を野党から追及されれば、秋までにある衆院選を前にダメージになるとの判断があるためとみられる。自民党の下村博文政調会長は11日夜のBS―TBS番組で、臨時国会が開かれない理由について「首相の政治的な判断もある」と指摘。首相の自民党総裁任期が9月末までに迫っていることを挙げた。
 安住、森山両氏の会談では、名古屋出入国在留管理局で収容中だったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡した問題も取り上げられた。出入国在留管理庁が職員の不適切な対応を認める最終調査報告書を公表したことを受け、安住氏は監視カメラ映像の開示を要求。森山氏は「慎重であるべきだ」と、こちらも事実上拒否した。

◆期限過ぎても召集応じず

 通常国会が6月16日に閉会した後、政府がコロナ対応や東京五輪などについて、国会審議に応じた機会は十分ではない。衆参両院で2回ずつ、厚労委と内閣委員会で閉会中審査が開かれたが、1回当たりの審議時間は3時間未満だ。
 憲法は衆参いずれかの総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は召集を決定しなければならないと定める。野党4党は7月16日、大島理森衆院議長に対して臨時国会召集の要求書を提出。安住氏は11日の森山氏との会談でも、早期開会を重ねて求めた。
 憲法には要求から召集までの期限に関しての記述はないことを理由に、政府・与党がすぐに応じることはほとんどない。自民党は野党時代の2012年にまとめた改憲草案で、「要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない」と期限を明示したが、今回は野党の要求から20日が過ぎても召集に応じていない。

関連キーワード

PR情報