最低賃金、なぜ東京は高い?<教えてQ&A>

2021年8月15日 05時50分
 各都道府県で引き上げ額を議論する最低賃金(最賃)で、東京都が突出して高いのはなぜでしょうか。賃金に詳しい浜銀総合研究所の遠藤裕基・主任研究員に聞きました。(山田晃史)
 Q 地域ごとに最賃が違うのはなぜですか。
 A 最賃は働く人の生活費や企業の賃金支払い能力などを考慮して決められます。住宅費や食費の高い東京都が一番高く、今は1013円。最も低い鳥取、沖縄県などより200円以上も高く設定されています。住宅や食料、車の維持といった生活費の高低を確認して地域別に差をつけ、公平性を保とうとする仕組みだからです。
 一方、地域で差をつけると、最賃の低い地方から高い都市部へ人口が流出してしまう懸念が指摘されています。ただ、最賃の高い東京は生活費も高く、引っ越しで必ずしも生活が楽になるわけではありません。最賃によって人口の流出が起きる因果関係を特定した研究もありません。

浜銀総合研究所の遠藤裕基氏

 Q 最賃の地域差は今後どうなりますか。
 A 今年の引き上げ目安は全国一律で28円となりました。最賃の金額差は変わりませんが、同額のアップだと最賃の低い地域は上昇率が大きくなるため、地域差を縮める動きとなります。一律でのアップが続けば地域間の差は徐々に縮小することになります。
 今後、地域差のあり方の議論も進むとみられますが、人口流出との因果関係の検証も同時に進めるべきです。関係がないのに是正のために企業の支払い能力を超えた最賃が設定されると、中小企業の割合が高い地方で雇用情勢が悪化してしまう懸念もあるからです。

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