ファイザー製ワクチンの効果、年齢や習慣で差…国立宇都宮病院「高齢者は20代の半分」「喫煙者は35%低下」

2021年8月14日 06時00分
 新型コロナウイルスワクチンの効果は、高齢者や喫煙者は低下しやすいことが国立病院機構宇都宮病院の研究で分かった。米ファイザー製についての研究。2回目接種から3カ月後の抗体価は、60~70代が20代の半分しかなく、喫煙者が全体の中央値よりも3割以上低かった。研究チームは「高齢者は半年おきのワクチン再接種が必要」「禁煙は感染リスクを軽減できる」としている。(沢田千秋)

◆2回目接種から3ヵ月後に比較

 研究は、他の研究者の検証を受けていない「プレプリント(査読前論文)」として6日に公開された。
 研究対象は2、3月にファイザー製ワクチンを接種した同病院の職員378人。3カ月後の抗体価の中央値は、血液1ミリリットル当たり764ユニットで、20代の男女の約1000ユニットに対し、60~70代は男女とも約500ユニットにとどまった。年齢が上がるほど、抗体価は下がる傾向があった。
 研究では、51~64歳の職員6人について、接種1回目の3週間後、2回目の2週間後、3カ月後の抗体価も比較した。6人とも1回目から2回目にかけて、抗体価は10~20倍に上昇したが、3カ月後には3分の1から5分の1に低下。1回目と同程度まで落ちた人もいた。
 また、喫煙歴でも比較。3カ月後の抗体価は中央値よりも、喫煙歴がない人は12%高く、喫煙者の抗体価は35%低かった。禁煙した人は21%減だった。研究チームの杉山公美弥くみや副院長は「喫煙は接種直後の抗体産生には影響しなくても、抗体の維持に影響する可能性がある」と話す。男女の抗体価の差は喫煙習慣の差とみられ、飲酒頻度では顕著な差は認められなかった。

◆感染と重症化防ぐには「3回」

 現在流行中のデルタ株の場合、ワクチン有効率は1回接種で約3割、2回で約9割とされる。ただ、感染予防に有効な抗体価の値は公表されていない。杉山氏は「ワクチン有効率の差は抗体価のみで語れないが、抗体価は多い方が間違いなく予防できる」と分析。「ワクチン接種により、細胞が新型コロナを記憶し、感染と同時に大量の抗体を作り重症化を防ぐ可能性もある。感染と重症化を防ぐには、3回目の接種で抗体価を再び上げることが安全策となる」としている。

抗体価 体に侵入したウイルスに対抗する物質(抗体)の量や強さ。血液検査で測定する。新型コロナウイルスのファイザー製ワクチンは、ウイルス表面にあるスパイクタンパク質への抗体を体内で作るよう誘導する。この抗体は、ヒトの細胞へのウイルス結合を阻害する働きがあり、ワクチン接種後の抗体獲得を示す主な指標だが、ワクチンの有効率は感染者数で公表するため、感染予防に資する抗体価の実数は不明。

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