なぜ日本人はモデルナで発熱するのか…ファイザーの2~3倍 2回接種後に感染も

2021年8月14日 06時00分
 新型コロナウイルスワクチンの1回目を、国民の約半数が打ち終えた。データが蓄積され、米ファイザー製、米モデルナ製それぞれの特徴が見えてきた。厚生労働省の研究では、モデルナ接種後に発熱した人の割合はファイザー接種後の2~3倍に上ると判明。諸外国より突出して多く、日本特有の現象だ。2回のワクチン接種を完了しても陽性になる「ブレークスルー(突破)感染」の危険性も残る。(沢田千秋)

◆38度以上が6割超

 「頑強な自衛隊の方でさえ、4割が病休したのはちょっとショック」。ワクチン副反応の調査を担う厚労省研究班の代表、伊藤澄信・順天堂大客員教授は、副反応検討部会で率直にそう述べた。モデルナの調査は自衛官を中心に行った。2回接種後、4割が「仕事にならない状況」だったという。
 調査によると、2回接種で37・5度以上の熱が出たのは、ファイザーが約4割に対し、モデルナは約8割。38度以上では、ファイザー約2割に対し、モデルナは約6割で3倍の開きがあった。
 米疾病対策センター(CDC)のワクチン副反応報告システム「V―safe」に約95万人が回答したデータによると、ファイザー、モデルナの2回接種から1週間以内の発熱は、それぞれ21・5%と37・6%で、両ワクチンの間に大差はなかった。

◆専門家も「原因分からぬ」

 伊藤氏は「日本人のデータで、これほどの違いが出た原因はわからない。ファイザーとモデルナは有効性の指標にも、それほど違いはないのだが」と首をかしげる。
 検討部会では「モデルナの国内治験の結果でも、海外より発熱者が多いとあった。海外ではかなり、解熱剤を前もって飲んでいるとか、体重の違いという意見も審査段階であった」と明かす委員もいた。
 モデルナでは、新型コロナに感染したことがある人が、1回接種から副反応が強く出る傾向もある。発熱、倦怠けんたい感は、それぞれ未感染者の8倍、3倍に上る。伊藤氏は「38度以上の発熱の比率も高く、40度の人もいる。体に負担がかかるので、準備して接種を」と呼び掛ける。

◆万能ではないワクチン

 ワクチンを2回打ち、副反応を乗り越えても油断は禁物だ。国立感染症研究所は、7月5~15日の10万人あたりの新規感染者数をワクチン接種歴別に比較。未接種27・4人に対し、1回接種は9・1人、2回接種は1・3人と激減したが、ゼロではなかった。
 横浜市立大の研究では、ファイザー製ワクチンを打った105人中、2回接種でデルタ株に対する十分な抗体を得た人は102人。残る3人は十分な効果が得られず、ワクチンが万能でないことを示した。
 感染研は6月末までの3カ月間で、ワクチン接種後に感染した27都道府県130人の検体を回収。うち67人は2回打ち、免疫がついたと考えられる2週間たった後に陽性と判明した。感染研は「ワクチン接種後も2次感染のリスクは否定できない」と、感染防止策の継続を求めている。

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