<新型コロナ>10万円、首相「5月」と言うけれど… 都心 未定多く

2020年4月29日 02時00分
 安倍晋三首相は二十八日の衆院予算委員会で、全国民に現金十万円を支給する「特別定額給付金」について「五月中」の支給を目指す考えを示した。だが、実際の支給事務を行うのは各自治体で、人口が多いほど申請書の準備にも時間がかかる。支給時期がすでに六月になると想定している東京都内の自治体もある。
 給付金の支給時期は、申請書の準備状況に応じて各市区町村が決められる仕組み。申請書の準備が終わった青森県西目屋(にしめや)村(人口約千三百人)は早ければ、五月一日から支給を開始。福島県相馬市(約三万四千人)も七日からの支給を目指す。
 一方、人口の多い都市部は、事務処理に時間がかかって支給の時期が遅れそうだ。東京都足立区(約六十九万人)は五月末に申請書を郵送後、給付金を口座に振り込むのは六月下旬になるとみる。同区の担当者は「申請書の印刷や封入などに二週間かかる」と説明する。中央区(約十七万人)も申請書の郵送は五月下旬になる見通しで、担当者は「(支給は)ぎりぎりになるのではないか」と話す。世田谷区(約九十二万人)など「未定」の区もまだ多い。
 今回の給付は、リーマン・ショック後に実施した「定額給付金」の支給方法とほぼ同じだ。当時は、国の補正予算が二〇〇九年三月に成立したが、一カ月以内に給付を始めた市区町村は三割にとどまった。特に、仙台市や名古屋市など人口の多い政令市では支給開始の時期が五月下旬と遅れた。現金給付は布マスクの全戸配布と違って、二重払いを防ぐための本人確認も必要となる。
 経済企画庁(現・内閣府)出身で中部圏社会経済研究所の島沢諭氏は「人口の多い自治体では事務量が膨大になる」と指摘。自治体の職員数がリーマンの時から減っているとして「『五月中』の目標通り支給できる自治体は少ないと思う」と予想する。 (大島宏一郎)

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