「酸素投与しかできない…つらい」 応急施設の医療従事者のやり切れない思い

2021年8月16日 20時33分
 新型コロナウイルスの感染拡大で病床が逼迫する中、神奈川県では、入院が必要とされながら搬送先が決まらない患者に酸素を投与する応急施設の運用が7日に始まり、連日、患者が搬送されている。施設で看護師を統括する県立よこはま看護専門学校の長岡美穂校長が16日に取材に応じ、「すぐに入院が必要な患者もおり、医療崩壊が本当に迫っていると感じる。酸素投与しかできず、ジレンマにかられる」と語った。

患者を車いすに乗せようとする看護師ら=いずれも16日、横浜市中区のかながわ緊急酸素投与センターで(代表撮影)

◆症状重く、入所してもその後入院へ

 この施設は「かながわ緊急酸素投与センター」。入所する患者は40~50代が大半で意識はあるが、血中酸素飽和度の低下を防ぐため移動は車いすで、看護師が排せつを介助しているという。

療養室の様子。定員24人で、8人部屋が3つある(代表撮影)

 県は2月に藤沢市内に酸素投与センターを開設したが使用に至らず、今月7日に横浜市内のホテル(定員24人)で運用を開始。16日正午までに37人が入所した。センター開設を検討した時点では酸素投与により症状が改善し自宅に戻ることも想定していたが、現状では入所する患者の症状が重く、全員が入院による退所となっている。

◆通常医療できず…

 菅義偉首相が全国に酸素投与できる施設を整備する方針を示したことについて「自宅で酸素がない状況を防ぐ意義はあると思う」としつつ、「(センターでは)血液検査や点滴、人工呼吸器につなぐという通常医療の一歩手前で終わる。胸が張り裂けそうなくらいつらい」と医療従事者としての本音を明かした。 (石原真樹)

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