丸川五輪相はワクチン接種率「把握してない」 都は入院確約できない これで東京パラ大丈夫?

2021年8月17日 06時00分
 東京都の新型コロナウイルス感染拡大が「災害級」と言われる中、重症化リスクを抱える選手もいるパラリンピックは安全に開催できるのか。東京五輪に引き続き、政府や大会組織委員会では再延期や中止を巡る議論がされず、東京パラリンピックは東京、埼玉、千葉、静岡の1都3県の全会場で原則無観客での開催が決まった。 (原田遼、原昌志、飯田樹与)

東京パラリンピックに向けた4者協議に臨む(左から)東京都の小池百合子知事、大会組織委の橋本聖子会長、IPCのパーソンズ会長、丸川五輪相=16日、東京都中央区で

◆中止は議論せず…理由には答えず

 丸川珠代五輪相は16日の4者協議後、中止や再延期を議論しなかった理由を問われたが、「国内のイベント上限を収容率50%か5000人の少ない方で実施している」と、正面から答えなかった。
 ボッチャなど競技によっては呼吸器系の障害がある選手も少なくない。昨年7月には国際パラリンピック委員会(IPC)の医学委員会が車いすの選手に多い頸髄損傷が重症化リスクを高める可能性があるとも指摘。同じ競技でも選手の障害によってリスクはさまざまで、介助者と長い時間接触したり、手指消毒が難しかったりして、日常的な感染防止対策をとりにくい選手もいる。
 しかし重症化リスクを下げるワクチンの接種率について丸川氏や組織委の武藤敏郎事務総長は記者会見で「把握していない」と回答。組織委が医療や感染症の専門家を集めて、コロナ対策を話し合う「専門家ラウンドテーブル」も6月18日を最後に開かれていない。大会の「安全」を裏付ける科学的根拠は乏しい。

◆感染者出たら…?

 都の医療は逼迫している。五輪が開幕した7月23日に2558人だった入院者数は今月16日に3881人まで増加した。都オリンピック・パラリンピック準備局の担当者は「医療提供体制がさらに逼迫した場合、入院を受け入れてもらえるか懸念はあるが、入院できないような事態が起きないよう全力を尽くす」と、入院を確約できない状況だ。
 パラリンピックの選手は約4400人、来日する関係者は約1万2000人。武藤氏は「万一、入院が必要な選手が出た場合には地域医療に影響が出ないように対応する」と歯切れが悪かった。

◆学校観戦は実施

 一方、児童生徒らに観戦機会を提供する「学校連携観戦プログラム」は、自治体や学校が希望する場合に実施することで合意した。東京都の小池百合子知事は「子どもたちに共生社会という言葉だけでなく、目の前でそのことを体験するという機会を生かしてもらいたい」と話した。射撃競技が行われる埼玉県の大野元裕知事も共生社会の形成を掲げるパラリンピックの精神に基づき、「(招待観戦を)実施することはふさわしい」と判断したという。埼玉県は今後、6月時点で参加を希望していた県内2校に意向を確認する。

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