公園で相次いだ猫の不審死…茨城県日立市が調査に消極的な理由は 毒殺の疑いも

2021年8月17日 07時45分

不審死した猫が住みかにしていた場所を説明する博多里美さん

 茨城県日立市宮田町のかみね公園で六月、生息する猫三匹の不審死や衰弱が相次いで確認され、毒を与えられた可能性が指摘されている。園内で猫の保護活動をする団体「ひたち地域猫の会」は、公園を管理する市に事実関係の調査をするよう強く求めている。一方、市は情報提供を募っているものの、園の利用者から猫の苦情もあり保護活動を認めていない立場から、協力には消極的だ。(松村真一郎)
 かみね公園北駐車場に隣接する残土置き場に、大きな石やU字溝が積み上げられている場所がある。猫の会会員で、日立市内に住む博多里美さん(54)は「被害に遭った猫たちは、ここを仮の住みかにしていた」と指さし、そう話した。
 住みかにしていた四匹のうち唯一症状がなかった雌猫が、こちらに気付いて飛び出していった。

唯一症状がなかった雌猫=いずれも日立市のかみね公園で

 博多さんによると、猫たちに異変が見られたのは、六月十八日午後一時ごろ。餌やりに付近を訪れた猫の会の会員が、雄二匹の口に白いものが付いていることを確認した。
 夕方に訪れると、食事をほとんど食べておらず、ふらついて口から泡を吹いていた。午前に餌やりをした際は、変わった様子はなかったという。
 獣医師の検査を受けたところ、いずれも腎機能障害と診断された。北駐車場付近には、ほかにも雌二匹が生息しており、症状はなかったものの、念のため検査した結果、そのうち一匹も急性の腎機能障害の疑いがあった。
 獣医師から「何らかの毒を与えられた可能性がある」と説明された。毒の種類は分かっていない。
 口から泡を吹いていた雄一匹は六日後に死んだ。もう一匹の雄も、餌をほとんど食べず、現在も衰弱状態が続いているという。
 博多さんらは八月三日、毒により殺された疑いがあるなどとして動物愛護法違反の疑いで、日立署に告発状を提出した。署は取材に対し「捜査内容はお答えできない」としている。
 猫の会は、博多さんが二〇一七年八月に結成。現在は会員六人が、かみね公園内にいる十匹ほどに、餌やりや去勢をする保護活動をしている。
 北駐車場には防犯カメラが設置されており、博多さんらは原因究明のため、市かみね公園管理事務所に猫に異常が見られた当時の映像の開示を求めているが、市は応じていない。
 事務所の飯塚優所長は取材に「プライバシーの関係もあり、外部への開示基準で、個人への公開はできないことになっている。警察の捜査には公開することはできる」と説明。調査はしていないが、不審死したことの影響を重視し、情報提供を呼び掛ける看板を園内に設置した。
 市が積極的に調査に乗り出さないのは、園内での猫の保護活動を認めていないからだ。背景には、利用者から「なぜ猫がうろうろしているのか」という苦情や、猫が駐車場の車を傷付けたり、道路に飛び出したりして利用者とのトラブルになることへの懸念がある。
 博多さんは「一市民として、市にはきちんと調べてほしい」と訴えた。

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