<新型コロナ>解雇・雇い止め 急増 1カ月2500人、雇用不安鮮明

2020年4月29日 02時00分
 新型コロナウイルス感染拡大による雇用への打撃が各種指標で鮮明になってきた。厚生労働省が公表した新型コロナ関連で解雇や雇い止めにあった人は二十七日時点で、見込みも含め累計三千三百九十一人と、先月二十五日時点の八百八十八人から一カ月で二千五百人以上増えた。また二十八日に発表された三月の有効求人倍率と完全失業率も悪化している。安倍晋三首相は求人倍率の高さなどを政権の経済政策の成果と強調してきたが、雇用不安が急速に台頭している。 (池尾伸一)
 コロナ関係の解雇や雇い止めは厚労省が全国の労働局やハローワークを通じて集計した。業種別では観光バスの運転手、ガイドなど観光関係のほか、ホテルなど宿泊業、製造業、小売業などで多かった。政府の緊急事態宣言を受け、東京都だけでなく各県に休業要請が広がっており、非正規社員を中心に職を失う人が急増しているとみられる。
 一方、求職者一人あたりの求人数を示す三月の有効求人倍率は一・三九倍で、一・四五倍だった前月から低下し、二〇一六年九月以来、三年半ぶりの低い水準になった。企業が新規採用を控える動きが広がっており先行指標となる三月の新規求人が、前年同月比で12・1%減った。
 また総務省が発表した三月の労働力調査によると完全失業率も前月比0・1ポイント上昇の2・5%で二カ月ぶりに悪化。パートやアルバイトなど非正規労働者が二千百五十万人となり、前年同月比で二十六万人減ったことも分かった。減少幅は比較可能な一四年一月以降で過去最大。新型コロナ関連の休業や営業時間短縮で、非正規労働者が雇用の調整弁として真っ先に職を失う実態が浮かんだ。

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