BTSメンバーの故郷やドラマロケ地めぐる「オンライン修学旅行」 日本の中高生に好評

2021年8月18日 12時00分

韓国・釜山市で7月、BTSのジミンとチョングクの壁画が出現した甘川文化村をオンライン修学旅行で紹介する成川彩さん=李美京氏撮影

 新型コロナウイルス禍で卒業旅行を断念した日本の中高生らのために、韓国観光公社が夏休みに「オンライン修学旅行」を開いた。人気のKポップや韓流ドラマにゆかりの地などを無料で疑似訪問できるとあって、想定の1・5倍の1500人が参加。今月中旬にあった南部の釜山市編では、日韓対立を文化交流で克服したいと願う生徒の姿が目立った。(ソウル・相坂穣)

◆「臨場感がある」「ドラマで見たことある」

韓国観光公社のオンライン修学旅行の画面に映し出されたBTSのシンボルカラー紫色で彩られた釜山の噴水(一部画像処理)

 赤、青、黄など色とりどりの家がモザイクのように急斜面に立つ。釜山市の甘川カムチョン文化村は朝鮮戦争の際、北から逃れてきた避難民らが住み着いた地域だ。近年、芸術家らの手を借りた地域再生が進められ、ドラマのロケ地になるなどして、人気の観光地となった。韓国在住映画ライターの成川彩さんによる現地リポートと韓国大衆文化に詳しい帝塚山学院大客員教授の古家正亨ふるやまさゆきさんの解説で、オンライン修学旅行は進行した。
 地元住民へのインタビューとともに、世界のポップ音楽界を席巻するBTS(防弾少年団)メンバー、ジミンとジョングクの顔を描いた壁画が映し出される。釜山は2人の故郷だ。デビュー記念日にシンボルカラーの紫色で彩られる噴水やジミンが新年に願い事をしたという夕焼けが美しい海岸なども紹介される。
 「臨場感がある」「ドラマで見たことある場所だ」などと、生徒らが投稿したコメントも表示される。

◆歴史や社会問題を学ぶ機会も

 教育行事として、韓流エンターテインメントを楽しむだけでなく韓国の歴史や社会問題について学んだり、工芸体験をしたりする機会も設けられている。
 17~19世紀にかけ、朝鮮王朝が江戸幕府に派遣した使節団「朝鮮通信使」を紹介する資料館のリポートもあった。日本と朝鮮半島の文化交流が深まり、平和外交を維持した歴史が紹介されると、生徒たちから「韓流の元祖だ」などと、好意的な反応が出た。
 約2時間の企画の終盤。「メディアでは韓国の悪いイメージが発信されている。実際、韓国の人は日本をどう考える?」「若者はKポップやドラマ好きということをきっかけに、言葉が違っても会員制交流サイト(SNS)で友達になれる」などと、日韓関係を真剣に論じるやりとりもあった。成川さんは「今の関係は政治的には良くないけど、江戸時代に文化で良い関係をつくった歴史もある。皆さんの世代でも友好を築いて」と呼び掛けた。
 韓国観光公社が支援する修学旅行で訪韓した日本の中高生は2019年に、48校の2382人に上ったが、コロナ禍で20年は3校の75人にとどまった。担当者は「生徒たちがコロナ禍でも思い出をつくれるお手伝いをしたい。好評を受けて次回も検討する」と話す。
 関西大中等部、高等部(大阪府)はオンライン修学旅行に12人が参加した。渡辺洋教諭は「韓国に複雑な思いを持つ大人もいるが、若者はオープンな感覚で良い物は良いと受け入れる。オンラインを皮切りに、実際に韓国の高校と交流もできたら」と語った。

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