在宅勤務ストレス「画面越しの雑談で解消を」 企業も試行錯誤

2021年8月19日 06時00分
 テレワーク時の孤独がストレスになって仕事の効率低下につながるとの認識が広がり、企業は対応を迫られている。同僚らと遠隔で雑談できる仕組みを構築、直接対面する場を意識的に設ける動きも出てきた。(畑間香織)

従業員同士がコミュニケーションを取るために開く「スタッフサービス・クラウドワーク」のオンライン会議=相模原市中央区で

 通勤困難な重度身体障害者がテレワークをする「スタッフサービス・クラウドワーク(SSCW)」(相模原市)は、オンライン会議をチームで必ず1日3回開き雑談の時間をつくってきた。ゼネラルマネージャーの岡崎正洋さん(58)は「雑談を通して社員が連携を取らざるを得ない仕組みにしている」と話す。

◆オンライン会議や仮想オフィス

リクルートの藤井薫・HR統括編集長(リクルート提供)

 従業員同士が日ごろの感謝の気持ちを伝える手紙をネット上で送り合ったり、地域ごとに直接対面する場を設けたりしている。新型コロナウイルス禍でSSCWが培ってきたノウハウは、親会社やスタッフサービスのグループ会社も活用するようになった。
 一方、もともと月に1回テレワークをしていたIT企業のアステリア(東京)は、ネット上の仮想オフィス「oVice(オヴィス)」を導入した。社員同士で音声会話をする環境を整え、中途採用者や新入社員に仕事を教える際などにも使っている。対面での合宿も意識的に開いた。
 長沼史宏執行役員(44)は「テレワークが多いからこそ上司は部下の調子に高くアンテナを張り、困っている予兆を感じてケアすることが大切だ」と強調した。

アステリアが導入する仮想オフィスの「oVice(オヴィス)」。自分のアイコンを動かして会話が聞けたり、話しかけられたりできる(アステリア提供)

◆年代上がるほどストレスためこむ傾向

 リクルートの調査では、年代が上がるほどストレスを解消できておらず、遠隔で雑談するためのチャットなどの習熟度の差も影響したと分析。同社の藤井薫氏は雑談の意義を「相手に対し『いてくれてありがとう』というメッセージを無意識に送り合うこと」と指摘。「雑談は1人ではできず生産性を求めない。『無駄話しませんか』と声を上げてほしい」と呼び掛ける。
 コロナ禍のテレワークに関し調査を続けている日本生産性本部によると、在宅勤務で「仕事の効率が上がった」と回答した人の比率は、今年7月の6回目の調査で初めて低下した。柿岡明上席研究員は「在宅勤務の満足度も落ち、孤独感が影響した可能性がある。従業員同士がつながる仕組み作りが重要」と指摘した。

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