「我が国は民主主義国家ではない」タリバン幹部が断言 国外退避の市民に戦闘員が発砲も

2021年8月19日 19時54分
交通警官として街をパトロールしているタリバン戦闘員=19日、アフガニスタン・カブールで(AP)

交通警官として街をパトロールしているタリバン戦闘員=19日、アフガニスタン・カブールで(AP)

 アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンの幹部は、新政権の統治体制について「わが国には民主主義の土台がない。民主主義システムは存在しなくなるだろう」と語った。ロイター通信が18日に報じた。全土掌握後に融和的な姿勢を示す一方、宗教に基づく厳格な統治が堅持され、民主的な権利が制限されることに懸念が高まっている。
 幹部のハシミ氏がロイターのインタビューで、最高指導者アクンザダ師の下に「統治評議会」のような組織が置かれ、政権運営に当たるとの見通しを示した。大統領は評議会トップの位置付けとなり、タリバン共同創設者のバラダル師ら副官が就く可能性を説明した。2000年前後の旧政権でも創設者で初代最高指導者の故オマル師は姿をみせず、政権の実務運営は評議会に委ねられていた。
 ハシミ氏は「多くの問題があり、決定されていない」としながら「アフガンは民主主義国家ではない。政治システムははっきりしているので議論しない。イスラム法による統治だけだ」と強調した。新たな軍を創設する計画で、空軍を中心に政府軍兵士に参加を呼び掛けていると明かした。
 国内では、タリバンの統制が取れずに混乱が広がり、国外脱出の動きも続いている。地元メディアは、タリバン戦闘員が空港に向かう市民を阻もうと発砲し、取材記者が殴られたと伝えた。18日に東部ナンガルハル州で抗議デモが起き、タリバン戦闘員の銃撃で少なくとも3人が死亡、10人以上が負傷。ロイターによると、19日も首都カブールや各都市で独立記念日に合わせて国旗を掲げる市民とタリバン戦闘員が衝突し、東部クナール州で複数の死傷者が出た。
 一方、国外脱出した大統領だったガニ氏がアラブ首長国連邦(UAE)に逃れたことが判明。フェイスブックで「私がいたら流血の事態になった。帰国して奉仕するつもりだ」と釈明し、多額の現金を持ち出した疑惑は否定した。政府ナンバー2だったアブドラ氏やカルザイ元大統領らがタリバン幹部らと新政権発足に向けて進める協議を支持するとした。(バンコク・岩崎健太朗)

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