金メダルかじりの河村たかし名古屋市長だけじゃない! 簡易サウナやシャワー室…首長はなぜ暴走するのか

2021年8月20日 14時07分
 金メダルをかじった名古屋市の河村たかし市長(72)に批判が集中している。女性の容姿に言及したり、「ええ旦那をもらって」と言ったり、今の時代にあり得ない発言も連発した。ただ、河村氏に限らず首長を選ぶのは有権者。1度当選すると任期は4年続き、辞めさせるのは簡単ではない。聞こえの良い公約や見た目、経歴などに惑わされず、本質を見抜く力が求められる。 (古川雅和、榊原崇仁)

◆女性に「マスクしているから、べっぴんに見える」

 「普段から非常識な発言が多くて、うさんくさい感じがあった。市長としての品性に欠けるでいかんわ」。同市のパート女性(67)は河村氏を厳しく批判した。

金メダルをかんだことに対し謝罪する河村たかし市長=5日、名古屋市役所で

 問題が起きたのは4日。東京五輪を制したソフトボール日本代表の後藤希友みう選手(20)が市庁舎に表敬訪問に訪れると、いきなり「でかいな」と話し掛け、「あんた」と呼び続けた。金メダルをかじった後も「かわいいお嬢さんだからびっくりしました」「旦那はええかね。恋愛禁止かね」といった発言を繰り返した。
 河村氏は、笑顔を繕う後藤選手を気にする様子もなく「人間悪いやつおるで、気を付けてな。ろくでもないのもおるで」と忠告。周りの職員は一緒に笑うだけだった。電話とメールで市に寄せられた苦情、抗議は18日までに約1万5000件に上る。市のイベントで司会の女性に「マスクをしているから、どえりゃーべっぴんに見える」との発言をしたとの苦情も、6月に5件あったという。

◆トップ当選が大半の河村氏 選挙に強い理由は

名古屋市長選で初当選し、支持者から水をかけられ祝福される河村たかし氏=2009年4月

 河村氏は大学卒業後、家業の古紙回収会社で働き、後に政治家を志した。愛知県議選と衆院選で落選した後、日本新党ブームが起きた1993年7月の衆院選で同党公認候補として初当選。「総理を狙う男」を公言し、5期務めた。2009年4月の市長選に「庶民革命」を掲げて当選し現在、4期目になる。
 選挙はトップ当選や大差の勝利が大半。選挙に強い理由について、同市の服部将也議長(民主)は「気さくに市民に接する市長というイメージを確立している」と分析し、江上博之市議(共産)は「既成の政治の批判者、庶民の代表という姿を見せているからで、決して実績ではない」と解説した。
 大勝続きなのを背景に、強引な手法も目立つ。市長1期目、減税のための条例案が否決されると議会を解散。出直し選後に市民税の恒久減税を実現させた。
 20年8月には「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示内容を巡り、以前から対立していた実行委員会会長の大村秀章・県知事のリコール(解職請求)署名を積極的に支援。署名の偽造が発覚して関係者が逮捕されると河村氏も窮地に陥った。「想像の外にあることで本当に驚いた」と自身の責任を認めず、4月の市長選は得票率が51・6%にとどまる接戦になった。
 市の中堅職員からは「やりたいことは冗舌に語るのに、それ以外は関心がない。議会や会見で細かいことは職員に答えさせるから、ぼろは絶対に出ない」との声が上がる。江上氏は「庶民派を名乗る河村氏を議員が批判すると市民からいじめと受け止められた」としつつ「今回の問題で実態が分かったはず」と話した。
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