「医療逼迫ならパラリンピック中止検討を」 組織委の専門家会議座長・岡部信彦氏が懸念

2021年8月20日 20時52分
7月30日、川崎市の会合後に記者団の取材に応じる岡部信彦さん=川崎市役所で

7月30日、川崎市の会合後に記者団の取材に応じる岡部信彦さん=川崎市役所で

 東京五輪・パラリンピック組織委員会に新型コロナウイルス対策を助言する岡部信彦・川崎市健康安全研究所長が20日、記者会見し、24日開幕のパラリンピックについて「場合によっては中止も含めて常に俎上に載せておくべきだ」と話した。一方で「今日時点では大会が医療を逼迫させていない」とし、開催には理解を示した。

◆「医療の状態はぎりぎり」

 岡部氏は20日、座長を務める組織委の「専門家ラウンドテーブル」に出席し、コロナ対策を議論。医療の専門家メンバーからは「医療の状態はぎりぎり」と報告があったという。
 会議後の記者会見で、岡部氏は「大会を開催することで地域医療に負担をかけたり、全く入院できない状況になったりしては困る」と懸念。大会の開催は原則無観客で実施することに決まったが、「今後大きな変化があれば(国際パラリンピック委員会などの)四者協議で(中止を)検討してほしい」と求めた。

◆市民の緩み「五輪の影響否定しにくい」

 選手・関係者約1万6000人が来日するパラリンピックには、基礎疾患があるなど重症化リスクのある参加者が少なくない。専門家から追加的な感染対策を講じる必要性を指摘された中村英正ひでまさ大会開催統括は、選手村に出入りする国内の大会関係者に対し、外食の自粛要請や検査の強化を検討することを明らかにした。
 ラウンドテーブルでは五輪のコロナ対策の検証も行い、組織委は「ワクチン接種や検査、行動管理により、大会前の試算よりも感染拡大や病床利用を大幅に抑制した」と分析。一方、専門家からは市民の感染対策の緩みなど「五輪開催の間接的影響」について「7月後半からの感染拡大について全く影響がなかったとは言いにくい」と指摘された。(原田遼)

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