横浜市長選 野党系の山中氏が当選 菅首相支援の小此木氏は18万票差の大敗、衆院選前に政権打撃
2021年8月23日 01時57分
任期満了に伴う横浜市長選は22日投開票され、無所属新人で元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)=立憲民主党推薦=が、元国家公安委員長の新人小此木八郎氏(56)や現職の林文子氏(75)、元神奈川県知事の松沢成文氏(63)、元長野県知事の田中康夫(65)ら7人を破り、初当選した。横浜がお膝元の菅義偉首相が全面支援した小此木氏が山中氏に18万票差の大差で敗れたことで、秋の自民党総裁選や衆院選への影響は避けられない情勢となった。投票率は49・05%(前回37・21%)。(丸山耀平、志村彰太)
新型コロナウイルス感染が首都圏を中心に全国で急拡大する中、有効な対策を打ち出せない政権への批判票が集まったとみられる。
最大の争点は、林氏が進めてきたカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致の是非だった。山中氏は選挙戦で、誘致の「断固反対、即時撤回」を掲げた。これまで市は資格審査を通過した2グループから、夏ごろに事業者を選定し、来年4月までに国へ認定申請をする予定だったが、方向転換する見通し。
山中氏は当選確実となった22日夜、支援者が集まる市内の会場に姿を見せ、「市民の大きな期待をいただいた結果だ。IRを誘致しないという宣言を早期に行う」と語った。
山中氏は立民のほか共産、社民両党、昨年にIR誘致の是非を問う住民投票を目指して署名活動した市民団体のメンバーから支援を受けた。新型コロナウイルスの研究者であることもアピールし、コロナ対策の拡充などを訴えた。
これまで林氏とともに誘致を進めてきた自民は、小此木氏がIR誘致「取りやめ」を掲げたことで自主投票を決め、分裂選挙となった。小此木氏は自民の大半や公明党から支援を受け、衆院議員としての経験を生かした国や県との連携強化などアピールしたが及ばなかった。
林氏は自民市議の一部やIR誘致を望む地元経済界からの支援を受けた。3期12年の実績を訴えて4選を目指したが、山中氏に大差をつけられた。
林氏は自民市議の一部やIR誘致を望む地元経済界からの支援を受けた。3期12年の実績を訴えて4選を目指したが、山中氏に大差をつけられた。
◆横浜市長選(開票率100%)
山中竹春 50万6392票
小此木八郎 32万5947票
林文子 19万6926票
田中康夫 19万4713票
松沢成文 16万2206票
福田峰之 6万2455票
太田正孝 3万9802票
坪倉良和 1万9113票
山中竹春 50万6392票
小此木八郎 32万5947票
林文子 19万6926票
田中康夫 19万4713票
松沢成文 16万2206票
福田峰之 6万2455票
太田正孝 3万9802票
坪倉良和 1万9113票
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