夫婦デュオ 元気お届け 妻は保育士、夫は介護福祉士

2021年8月23日 07時07分

千葉県八千代市の市立大和田小学校でライブを行った夫婦デュオ「リズミカルガス」の野口貴幸さん(右)、美智子さん

 千葉県八千代市に住む夫婦が高齢者施設や学童保育などで10年以上も有償ボランティアのライブを重ねている。夫は介護福祉士、妻は保育士。プロの経験とスキルで、お年寄りから子どもまでハートをガッチリつかみ、「M−1グランプリ」に3回挑戦した腕前の夫婦漫才で笑いの渦に巻き込む。コロナ禍で強いられた約1年半の自粛後、再開した舞台を取材した。
 この夫婦は介護福祉士の野口貴幸さん(45)と、保育士の美智子さん(43)。それぞれ特別養護老人ホームと保育所で働きながら、夫婦デュオ「リズミカルガス」と名乗って2010年から路上も含め活動を続けてきた。通算441回目になるライブは7月末、同市立大和田小学校学童保育の1年〜5年生の約50人がお客さん。マスク着用で体育館の窓を開け放つなど感染対策に気を配った。

子どもたちに歌とダンスを披露するリズミカルガス

 貴幸さんがギターで米津玄師さんの「パプリカ」、アニメ「鬼滅の刃(やいば)」のテーマ曲「紅蓮華(ぐれんげ)」とヒット曲を弾くと、子どもたちは一緒に踊って早くも熱気で満ちた。外科医が題材の漫才にもあちこちで笑いが。この日は長女の中学2年美玖(みく)さん(13)と次女の小学1年ひまりさん(7)による姉妹ダンサーズ「柑橘(かんきつ)系」も加わった一家総出のライブ。ひまりさんがなぞなぞを出すなど場を盛り上げ、1時間のライブは笑顔であふれた。

姉妹ダンサーズ「柑橘系」の野口美玖さん(左)と妹ひまりさん

 得意の夫婦漫才のネタは主に美智子さんが考え、美智子さんがボケて貴幸さんがツッコむ。貴幸さんがギター、美智子さんが鍵盤ハーモニカで流行歌やオリジナル曲を聴かせ、高齢者施設では脳トレやリハビリ体操、子どもたちには楽しく体を動かす工夫を凝らすなど、介護と保育の専門性も生きている。
 貴幸さんは京都府出身。大学生の時、大阪・ミナミで井上陽水さんの曲をギター片手に歌っていたひげにブーツ姿の中年男性に心を奪われた。「何て自由で楽しそうなんだ」とすぐにアコースティックギターを買って友人から弾き方を教わり、路上ライブを始めた。

一緒に踊る子どもたち

 卒業後も職を替えながら「路上」を続け、京都府の医療法人の同僚だった美智子さんと、03年に結婚した。滋賀県出身、福祉専門学校卒でお笑い好き、パンクロックの追っかけだったという美智子さん。「歌だけでは駄目だ」と、漫才も始めた。10年に千葉県に引っ越してからは、当時2歳の美玖さんをベビーカーに乗せてJR津田沼駅前で歌ったことも。
 声を出す楽しさと自分の可能性を試せる「路上」にはまった貴幸さんの長年の夢は「有名になりたい」。学生時代に卒業までほぼ毎日通った奈良駅前で、「へたさ加減にあきれたおっちゃん」がくれた500円玉に、油性ペンで「夢」と書いてお守りに。今も宝物だ。
 貴幸さんと美智子さんは「客席の笑顔がエネルギーになる。漫才と歌で有名になる夢を家族で追っかけたい」と話した。
 リズミカルガスへの出演依頼は貴幸さん=電090(1157)2373。
 文・五十住和樹 写真・市川和宏
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