一橋大院生 アウティングされ転落死6年 「性の多様性、学ぶ大学に」 あすから配信 支援サークルが追悼動画

2021年8月23日 07時17分

追悼動画の中で事件についての思いを話す松中さん=本田さん提供

 二〇一五年に一橋大法科大学院(国立市)の男子学生=当時(25)=が同性愛者であることを同級生に暴露(アウティング)された後、転落死してから二十四日で六年。同大でLGBTなど性的少数者の学生らを支援するサークル「LGBTQ+ Bridge Network」が追悼動画をつくった。同日から動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信する。出演者は性の多様性を学ぶ大学になってほしいと願いを込めた。(竹谷直子)
 動画はサークルの代表本田恒平さん(26)=同大大学院博士課程一年=が企画。LGBTの居場所づくりを進めている同大卒業生らの団体「プライドブリッジ」の代表、松中権さんや、ともに副代表で社会学者の川口遼さんと市民団体「LGBT法連合会」事務局長の神谷悠一さんのインタビューなどを収録している。
 松中さんは同性愛者であることを公表しており、インタビュー動画で自身の一橋大在学中を「当事者のことを小ばかにする会話があってつらかった」と振り返った。また「一橋大と言えばLGBTQ+、性の多様性について学ぶ大学だよね、というようになってほしい」と訴えている。
 男子学生は一五年六月、同級生からLINE(ライン)のグループで同性愛者だと暴露され、次第に体調が悪化。大学側に相談したが、クラス替えなどの対応をとってもらえず、同年八月に校舎から転落死した。
 動画では、遺族が損害賠償を求めて同大などを提訴し、控訴審で二〇年十一月、アウティングを「人格権ないしプライバシー権などを著しく侵害する許されない行為」と認めた判決が出され、その後に確定する経過を説明。裁判資料も踏まえて事件を紹介している。神谷さんは動画で「事件があって変えようという動きが出ている。一橋、変わったよねと言われることはとても大事」と話した。
 動画作成に参加した同サークルメンバーの松下倫子さん(18)は「学部生の中でも事件を知らない人が多い。一橋大生に見てほしい」と話した。本田さんは男子学生の妹と友人で、命日に学内に献花台を設けるなどの活動をしてきた。「一橋大が今後どう変わっていけるのか動画から感じ取ってほしい」と語った。
 動画配信では二十五〜二十七日、各インタビューのロングバージョンも順次、公開する。詳しくは「LGBTQ+ Bridge Network」で検索。サークルホームページで遺族へのメッセージも募っている。

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