かっぱ橋 菓子道具店に「タワー」 魔法の呼吸 クッキーの型

2021年8月24日 06時59分

らせん階段沿いにたくさんの抜き型が展示されている馬嶋屋菓子道具店のクッキータワー

 調理道具を扱う店約170店がひしめく浅草の「かっぱ橋道具街」でいま話題なのが「クッキータワー」。製菓道具販売を手掛ける馬嶋屋菓子道具店の地下1階から地上2.5階まで、クッキーの生地を抜く「抜き型」3000個以上がそびえたつ。全国の菓子職人や菓子作りが趣味の人たちを魅了する「クッキー型の殿堂」だ。

◆かたち無限大

 クッキータワーは店の改装に合わせて二〇一九年に登場。ハロウィーンやクリスマスなど季節物はもちろん、動物や植物から建造物、鉄道、キャラクターなど、ありとあらゆる型がぎっしりと並び、見飽きない。買い物客は、かごを片手にタワーの上から下までらせん階段を上り下りして、品定めしていた。お気に入りの型が見つかれば、在庫から購入できる。
 同店は、神田万世橋にあった日本最古の菓子道具店、馬嶋喜三郎商店から屋号を引き継ぎ、一九五一年に現在のかっぱ橋で創業。和菓子の木型製作と菓子道具や製菓機械の販売を手掛ける菓子道具店として、七十年以上、製菓業界を支えてきた。

店内の壁に飾られた木製の和菓子型

 店内の壁には和菓子木型も飾られている。これらは同店で六十年以上、和菓子型を彫り続けた職人、大河原仁さん(二〇一八年に他界)が手掛けたもの。大河原さんは、和菓子の老舗、新宿中村屋やとらやなどから、型の注文を受けていた。その型は一つ一つ菓子の形や重さが寸分違わないと、各店から絶大な信頼を受けていたという。
 マドレーヌやケーキなど焼き菓子の型や製パン用品、輸入のシリコーン型なども、ここでしか手に入らない品々がそろっている。コロナ禍以前は外国人客も多かったという。昨年からは、ステイホームで家族で菓子作りをする人が増えた影響などから、ネット通販での注文が増え、売り上げが約一・五倍に増えたという。

◆手作り教室も

モンペラ先生が作った(左から)プードル、ペガサス、アリス、ラプンツェル

 店内では、自分の好きな型が作れる有料のクッキー型作り教室が定期的に開催されている。講師は、全国で型作り講座や、客の好みに応じて即興で型を作るパフォーマンスを披露している「クッキー型の魔法使い」、モンペラ先生こと森下晴行さん(49)。
 モンペラ先生の作品はどれも精巧で、芸術品のようだ。「型は飾っても使っても楽しめるアート。材料はほとんど百均の道具でできるんですよ」。アルミやステンレスの板をカッターで切り、大小の筒に押しあてながら形を作り、ペンチで角を作っていく。記者も指導を受けて挑戦。コツをつかめばシンプルな型なら数分で出来上がった。

思った以上の出来栄え!双子パンダの抜き型

 せっかくならオリジナルの型を作ってみたい! 上野動物園担当の記者が選んだモチーフは、今年六月に誕生した双子のパンダ。細かいところは先生に手伝ってもらいながらも完成した型は、思った以上の出来栄え。達成感を味わった。
 型作り教室の申し込みや菓子道具のネット通販は同店のホームページから。
<かっぱ橋道具街> 浅草と上野の中間にある南北約800メートルの商店街。和洋食器や調理器具、食品サンプルなどを扱う道具専門の問屋街。大正時代から調理道具などを扱った店が集まり専門商店街として発展した。東京メトロ銀座線田原町駅から徒歩5分、日比谷線入谷駅から徒歩6分、東武スカイツリーライン浅草駅から徒歩13分。
 文・長竹祐子/写真・木口慎子
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