新型コロナを軽視していたトランプ氏も接種呼び掛け 米国でワクチンに懐疑的な著名人ら相次ぎ感染

2021年8月24日 19時59分
新型コロナウイルスに感染し、21日に亡くなった米テネシー州の保守系ラジオ司会者フィル・バレンタイン氏=テネシアン紙提供(AP)

新型コロナウイルスに感染し、21日に亡くなった米テネシー州の保守系ラジオ司会者フィル・バレンタイン氏=テネシアン紙提供(AP)

 【ニューヨーク=杉藤貴浩】新型コロナウイルスが再拡大する米国で、ワクチンに懐疑的だった市民や著名人に感染が広がり、後悔する声が相次いでいる。21日にはコロナを軽視していたトランプ前大統領も接種を呼び掛けた。ただ、ネット上で広がる誤った情報は多く、ワクチン懐疑論が新たなビジネスとなっているとの指摘もある。
 「子どもたちには必ずワクチンを受けさせて」。南部テキサス州で16日にコロナで死亡した女性(42)の遺言に全米の注目が集まった。米メディアによると、女性と夫(49)は共にワクチン反対派で、夫も半月前にコロナで亡くなった。夫婦が反対していた理由は不明だが、残された4人の子どもの面倒を見る親族は「ワクチンに関する誤情報を信じる人々がいるのが悲しい」と語った。
 米国ではネットを中心に「接種すると不妊になる」「微小チップを埋め込まれ、監視される」といった誤情報や陰謀論が拡散する一方、感染力の強いデルタ株が未接種者を中心に猛威をふるっている。

◆「ワクチンに賛成しなかったことを後悔」

 21日にはテネシー州の保守系ラジオ司会者フィル・バレンタイン氏(61)が1カ月の闘病の末に死亡。昨年末には「私がコロナで死ぬ確率は1%もない」と豪語していたが、入院後は「積極的にワクチンに賛成しなかったことを後悔している」と述べていた。ワクチンに懐疑的な保守派の支持を集めるトランプ氏も、感染が深刻なアラバマ州の集会で同日「ワクチンを打とう」と呼び掛けた。
 米英拠点の「デジタルヘイト対抗センター(CCDH)」によると、懐疑論の一因となっている誤情報の約7割は医師や弁護士ら有力者12人を中心に拡散。寄付やサプリメント販売などで計3600万ドル(約40億円)の収益を生み、産業化しているという。
 有力者の1人として名指しされたケネディ元大統領のおいロバート・ケネディ・ジュニア氏(67)は本紙の取材に、ワクチン接種義務化反対の訴訟活動などを続けているとする一方、「収入の8割を犠牲にして運動している」と反論した。

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