リニア 川崎市内説明会 調布陥没受けJR東海が開催 住民ら、心配の声相次ぐ「影響出たら工事止めて」

2021年8月25日 07時05分
 大深度地下を掘り進めるリニア中央新幹線のシールドトンネル工事を巡り、JR東海は二十三日夜、川崎市中原区内で住民説明会を開いた。東京都調布市の東京外郭環状道路(外環道)の工事で起きた陥没事故を受けた開催で、JR側は施工の安全性や家屋調査の実施に理解を求めた。参加した市民からは、振動や陥没、地盤沈下など工事による影響を心配する声が相次いだ。(安藤恭子)
 リニアは東京・神奈川、愛知の都市部で外径約十四メートルのトンネルを掘る計画で、川崎市内は中原区等々力−麻生区片平の約一六・三キロの地下を通る。説明会は七十五人が参加し、報道機関には非公開とされた。
 JR東海の資料や参加者への取材によると、トンネルを掘り始める地点となる市内五つの非常口のうち東百合丘(麻生区)が今月、完成した。市内の工区は三台のシールドマシンで掘り進める予定で、今後ルート周辺の四十メートル範囲の建物に家屋調査も行うとした。
 外環道の陥没については担当者が「砂やれきの多い『特殊な地盤』で、施工にも課題があった」と説明。リニアのルートにこの地盤はないとし、マシンが取り込む土砂の質や量の管理など適切な施工を行い、マシンの位置はホームページで公表する方針を示した。
 参加者からは「等々力非常口の建設で振動が起きている」「何か影響が出たら工事は止めてほしい」といった要望も。JR東海側は「固く締まった地盤を掘り進む」「適切に施工すれば、地上の土地利用に支障を与えない」と強調。家屋調査の目的は「万が一工事で傾きや損害が出た場合、早急に対応をするため」と説明した。
 参加した高津区の男性(76)は「大深度工事が安全という前提は外環道の事象で崩れた。巨額の費用や減退する交通需要を考えても、リニアは必要なのか」と懸念した。住民説明会は二十五日午後六時十五分から麻生市民館、二十七日午後六時から川崎市民プラザ(高津区)で予定されている。

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