《宮﨑香蓮の大人の社会科見学 》株式会社モスフードサービス 日本全国に美味しさを届けるモスバーガーの極意

2021年9月8日 09時40分

女優・宮﨑香蓮が、東京を拠点とした、歴史を重ねている企業に訪問し、自らインタビュー取材します。取材先では、「ヒットの秘訣」「受け継がれている歴史や大切にしているもの」を中心に様々な『モノ・ヒト・コト』をお聞きし、歴史について学んだり、業界ならではのお話、これからについて発信していきます。

あの頃のモスバーガー
小学生の頃、わたしの地元に唯一あったハンバーガーチェーン店がモスバーガーでした。今でもモスバーガーと聞くと「野菜が美味しい!」とすぐにイメージが沸いてきます。今回の「大人の社会科見学」の取材では、創業から、ハンバーガーチェーンとして独自のイメージが定着するまでの、様々な取り組みについてお聞きします。

はじまりは2.8坪カウンター5席のお店


 モスバーガーが誕生したのは1972年3月12日のこと。東京都板橋区の成増に構えた小さな店舗が始まりでした。銀座に「マクドナルド」が華々しくオープンした翌年のことです。日本で外食文化が発展してきた1970年代。多くの有名外食産業がこの時期に創業しています。
 モスバーガーを創業した櫻田慧氏はとてもカリスマ性のある人物でした。しかし、まだハンバーガーの存在が浸透していなかった日本で、市民権を得るようになるまでには、たくさんの苦労がありました。

第一号店である成増店の創業期


 第一号店である成増店は広さ2.8坪にカウンター席が5席だけという小さなお店でした。創業当初は銀行から融資をしてもらえず、必死で集めた開業資金のほとんどは商品開発に注ぎ込まれました。看板商品の「モスバーガー」にはオリジナルのミートソースが使用されています。100回以上の試作を繰り返し、日本人の味覚に合うよう、繊細に作られたミートソースは、「食べてもらったら絶対においしいと思ってもらえる」自信がありました。しかし、日本はまだハンバーガーの食べ方さえ分からない人が多かった時代で、試しに食べてもらう機会がありません。それでも「街の人に喜んでもらえるにはどうしたらいいか」と考えることを辞めず、「朝課」という活動をはじめます。朝課とは「向こう三軒両隣」の掃除や、朝に通りを歩く方への挨拶などのこと。モスバーガーのおかげで街が明るくなったと思ってもらえるように、という想いから始めた活動でした。

自身のモスバーガーとの思い出を振り返りながら、インタビューする宮﨑さん。


地道な活動の甲斐もあって、徐々に街の人もモスバーガーに足を運ぶようになりました。当時まだ若かった櫻田氏は、街の「若い兄ちゃん」という存在で、お店では「小学生が勉強を教えてもらいにいって、夕方にお母さんが迎えに来る」なんて光景も見られたそうです。当時の写真や資料は、ほとんど残っていないそうですが、櫻田氏はこの第一号店を必死に運営しました。

インタビューに応じてくれた広報IRグループの角田泰子さん


 小さな店舗からスタートしたモスバーガーもいまでは約1250店ものお店が全国に広がっています。戦略的に広げていったのかと思いきや、「わたしの街にモスバーガーを出したい」という人がいたら、手を組んでいくというスタイルなんだそうです。そのため、物流のルートも店の場所が決まってからなんとかする(だからわたしの地元にもポツンとした場所にあったんですね!感動!)。独特のフランチャイズシステムですが、そこにも櫻田氏の考えがありました。それは効率よりも「想いを同じくする人とやっていく」ことを大事にするという信念です。

創業当時のメニュー。当時、モスバーガーは120円だったそうです。

 
 あちらにポツン、こちらにポツンと全国にお店を拡げていったモスバーガー。外食産業としての店舗運営は本部とお店の縦の関係ではなく、各店舗のオーナーさんの横のつながりを本部がサポートするという形で行われています。店舗同士の協力関係がすごく強いそうです。モスバーガーでは一店舗ごとのファンを増やしていくことの積み重ねで、ここまで全国的に広がっていったんですね。

モスバーガー看板商品の誕生秘話


 もともと証券会社に勤めていた櫻田氏。モスバーガー創業のきっかけは、証券マン時代にロサンゼルスで出会った「トミーズ」というハンバーガーショップでした。その味が忘れられなかった櫻田氏は日本でもハンバーガーレストランを開きたいと思いトミーズで修行をしました。そのレシピをアレンジして看板商品「モスバーガー」を生み出します。

不動の人気を誇るNo.1メニュー「モスバーガー」


 創業2年目の頃、「モスバーガー」に続くオリジナル商品を作りたいと考えた櫻田氏は、再びアメリカに行きます。そこで出会った未知のソースの味を覚え帰国。食品メーカーの担当者に「醤油のような、味噌のような…」とソースの味を口頭で伝え、完成したのが「テリヤキバーガー」です。

1973年頃に発売し、大ヒットしたという「テリヤキバーガー」

 今ではその味は当たり前になっていますが、商品のスタート時にはある苦労がありました。「テリヤキ」という言葉には、ブリの照り焼きなど魚料理のイメージがあり、「テリヤキバーガー」も生臭いのではと思われてしまったそうです。しかし、その後、女子高生がヒットの糸口となりました!新しい物好きの女子高生が抵抗感なく試してくれたので、その美味しさは徐々に口コミで広がっていきます。また文化祭で商品提供することで「テリヤキバーガー」を知る人が増えていきました。「女子高生のおかげで今のモスバーガーあるのかもしれませんね」と担当者さん、すごいお話です!
 モスバーガーの看板商品として、もう一つ語りたいのは「モスライスバーガー」です。こちらは1980年代、お米の消費が減ってきた時代に生まれた商品なんです。最初はバンズにお米を具材として挟む方向で開発を進めていましたが、炭水化物のダブルパンチでなかなか上手くいかず…。そこで「天むす」からヒントを得て、お米をバンズ代わりにして完成したのが現在の「モスライスバーガー」です。

初代のモスライスバーガーである「つくねライスバーガー」。現在は販売していませんが、当時は生産が追いつかないくらい人気だった商品。


 今では当たり前のように感じてしまいますが、お米で具材を挟むという発想の転換がなければ完成しなかったそうです。お米の絶妙なカリっ、ふわっとした食感は、焼きおにぎりを参考にして生まれたもの。こちらはスタートから大ヒットしました。本部の社員さんの手も借りながら24時間体制で工場を動かしていましたが、作った分は翌日の午前中に売り切れてしまうほどでした。米が余っているのをなんとかしたいという想いから生まれた「モスライスバーガー」は、今でもモスバーガーの個性を象徴する看板商品となってるのではないでしょうか。
 商品力が大きな強みのひとつであるモスバーガー。日本生まれのハンバーガー屋だからこそ、我が国独自の食文化を活かした商品開発を心がけています。テリヤキバーガーのソースには開発当初から醤油や味噌などの発酵食品が使われてきました。また、モスバーガーのミートソースのリニューアルの際には塩麹、煮切ったお酢やにがりなど、和食の調味料をさらにプラスしたそうです。
 食品メーカーとタッグを組んで商品開発をしているそうですが、創業当時に協力してくれたメーカーと今もなお取り引きが続いています。切磋琢磨し一緒に成長していくような関係だそうです。
 最近では「お肉の入っていないバーガーを作ってほしい」という声に応え、動物性の食材が入っていない「グリーンバーガー」が発売されました。時代のニーズに合わせた商品開発も積極的に行っています。

高まるテイクアウト需要とモスバーガーのこれから



 コロナ禍で外食のテイクアウト需要が増えています。モスバーガーではもともと6:4でテイクアウトが多かったものがさらに増えて7:3になったとのこと。オンラインで購入ができ、店舗で受け取ることができるシステムの強化に早くから努めていたそうです。また、軽減税率導入時に、テイクアウトに需要が流れることを予測し、お持ち帰りでも美味しさが長持ちするように、テイクアウトに対応した商品の改良を行なっていたそうです。いつも美味しく食べていますが、私たちが気付かぬ間に、本当に細かい改良を重ねられているんだなあ、と感動しました。
 利用シーンが増えている中で、スーパーの中にテイクアウト専門店を作るなど、新たな形態にもチャレンジされています。この状況が落ち着いて、店内でゆっくり過ごす日が戻ることに備えて、「モスバーガー&カフェ」も展開しています。既存のメニューに加え、カフェメニューをさらに充実させている店舗だそうです!「ゆっくりカフェでお茶できる日が早く来ますように」なんだかそんな願いも込められているように感じます。モスバーガーを創業した櫻田氏の「感謝される仕事をしよう」「人に寄り添う」というスピリットが今でもしっかりと受け継がれていると思いました。
取材後記

 モスバーガーといえば野菜がしっかり食べられるというイメージ。店舗には、生産した農家さんのお名前が掲示されていますよね。野菜は丸ごとお店に届き、店舗ごとにスタッフが洗い、カットしているそうです。常に新鮮なものを届けているんだということが分かりました。ところで、モスバーガーのMOSって「Mountain、Ocean、Sun」の頭文字をとったものだってご存じでしたか?これは櫻田さんと想いを同じくした創業メンバーの吉野さんと渡邉さん、この3人が大自然をこよなく愛していたから、といういわれがあるそうです。インタビューをしていて、大自然のイメージとこの名前がとてもしっくりきました。今度、野菜を食べたくなったらモスバーガーに行こうと思います!
 取材を受けてくださった広報IRグループの角田泰子さん、後藤賢一さん、ありがとうございました!

《今回の取材先》株式会社モスフードサービス

現在、全国で約1250店舗を持つフランチャイズチェーンによるハンバーガー専門店。2022年には、創業50周年を迎える。オリジナルミートソースが定評のモスバーガーは、今も人気No.1のメニューとなっている。創業当時から想いは変わらず、日本の食文化を生かした独自の商品開発に力をいれている。
住所:東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower 4階
モスバーガー公式サイト





PROFILE
宮﨑香蓮(みやざき かれん)
1993年11月20日生まれ。2006年「第11回全日本国民的美少女コンテスト」演技部門賞を受賞し、女優として活動中。NHK大河ドラマ『花燃ゆ』ではヒロインの幼馴染・入江すみ役として出演するなど、いま活躍を期待される若手女優の代表格。
【お知らせ】
・テレビ朝日 木曜ミステリー「遺留捜査」(滝沢綾子役)
・舞台「マミィ!」(赤坂レッドシアター)
・SSFF&ASIA 2020 ジャパン部門ノミネート作品「BENTHOS」主演(美嘉役)
・東京2020オリンピック聖火リレー 長崎県内走行ランナー
・島原ふるさとPR大使

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