布川事件、国と茨城県に7400万円の賠償命令 「検察捜査も違法」と東京高裁

2021年8月27日 18時34分
判決後に記者会見する桜井昌司さん(中)=東京都千代田区で

判決後に記者会見する桜井昌司さん(中)=東京都千代田区で

 1967年に茨城県利根町布川で男性が殺害された布川ふかわ事件で、再審無罪が確定した桜井昌司さん(74)が国と県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は27日、警察官だけでなく検察官も違法な取り調べをしたと認定し、国と県に連帯して約7400万円を支払うよう命じた。
 2019年の一審東京地裁判決は、警察官が取り調べで虚偽の目撃情報を伝えるなど違法な取り調べをしたと判断したが、検察官の取り調べの違法性は認めていなかった。
 村上正敏裁判長は判決理由で、検察官が捜査段階で桜井さんに虚偽の出来事を伝え「否認しても裁判官は信じないだろう」と迫り自白させたと指摘。警察官は「ポリグラフ検査の結果、全ての供述がうそだとわかった」と事実と異なることを言い、自白を強要したと認定した。
 その上で、違法な取り調べがなければ逮捕、起訴されることはなく「遅くとも68年の一審初公判前には釈放された可能性が高い」と述べた。
 国と県は、取り調べに違法性はないなどとして請求棄却を求めていた。
 判決後に東京都内で記者会見した桜井さんは「54年前に警察、検察にされたことを素直に認めてもらえて、胸がいっぱいになった。今後は、ほかの冤罪えんざい事件の再審で闘う仲間を支援していきたい」と話した。
 桜井さんは故杉山卓男さんとともに強盗殺人罪で起訴され、1978年に最高裁で無期懲役が確定。29年間にわたり身柄拘束された。自白の信用性に疑問があるとして再審が認められ、2011年に再審無罪となった。(小沢慧一)

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