手古舞Tシャツ 深川っ子の気概 富岡八幡宮の本祭り中止で氏子が制作

2021年8月29日 07時11分

背中全面に辰巳芸者の手古舞がプリントされたTシャツ(浜田嘉一さん提供)

 コロナ禍で、8月中旬に催されるはずだった富岡八幡宮(江東区富岡1)の例祭「深川八幡祭り」の本祭りが、昨年、今年と中止となった。神輿(みこし)を担げなくなり肩を落とした氏子たちが作ったのが、アマビエならぬ、邪気を払う手古舞(てこまい)のTシャツ。みんなで着ることで、コロナに負けない深川っ子の気概をアピールしようとしている。(井上幸一)
 深川八幡祭りは、神田明神の神田祭、日枝神社の山王祭とともに「江戸三大祭り」の一つとされる。三年に一度の本祭りは、五十三基の町神輿が勢ぞろいする連合渡御があり、担ぎ手に水が浴びせられる光景は壮観。本来なら昨夏が本祭りで一年延期されたが、今年も本祭りはできなかった。富岡八幡宮によると、次の本祭りは二〇二三年に実施する予定という。
 こうした事態に、氏子たちから浮上したアイデアが手古舞のTシャツ。手古舞は、祭りの山車や神輿を先導する男装の女性で、手にした金棒で邪気を払うとされる。深川八幡祭りでは、地元の辰巳芸者が長く務めていた。
 Tシャツは、地元の印刷会社「三協」(江東区福住一)が制作。デザインは、二〇一八年に富岡八幡宮に奉納された辰巳芸者を描いた手古舞の肉筆浮世絵を使用した。背中に手古舞(全面、縦長の二種類)をプリントし、八幡宮の承諾を得て、胸元に御神紋を配置している。

2017年の本祭りで、水しぶきが舞う中、町内を練り歩く神輿=江東区で

 試作品は今月中旬に完成。氏子の一人で、肉筆浮世絵を奉納した浜田嘉一(よしかず)さん(84)=国分寺市=は「三協がある『福住』の神輿は東京大空襲でも焼失を免れ、百年近く担がれている。この町から手古舞Tシャツが誕生したことは、何代にもわたる深川っ子の思いの結晶だと思う」と話している。
 Tシャツ(各種サイズあり)は一般販売もしており、二千五百円。注文から納品まで約一カ月かかる。問い合わせ、申し込みは、江東区永代の立ち飲み居酒屋「はま」=電090(9344)6174=へ。

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