すい臓がんのペルー人在留許可を申請 妹「兄の命は1秒ずつ削られている。助けて」 保険なく高額治療受けられず 

2021年8月30日 22時18分
「私には私を必要としている子どもたちがいます。私は生き続けたいです」と語るブルゴス・フジイさん=8月、代理人提供

「私には私を必要としている子どもたちがいます。私は生き続けたいです」と語るブルゴス・フジイさん=8月、代理人提供

 国から退去強制命令を受け2017年8月に大阪出入国在留管理局の施設に収用され、昨年5月に仮放免された日系ペルー人男性(47)が、がんを患っているものの在留資格がないため国民健康保険に加入できず、高額治療を受けられないとして、在留特別許可を法務省と大阪入管に申し入れた。男性の家族は23日の会見で「残された時間がない」と訴え、支援する弁護士事務所は、治療実現のため寄付も呼び掛けている。(望月衣塑子)
 支援する中井雅人弁護士によると、男性はブルゴス・フジイさん。1991年に来日し、定住資格を得て、自動車工場や宅配会社、弁当工場などで働きながら妻との間に2人の子どもをもうけた。2012年12月に退去強制命令が出され、17年から約3年間、大阪入管に収用されていたが、昨年5月、仮放免となっていた。
 今年1月から発熱を繰り返し、6月に体調が急激に悪化。病院で検査した所、ステージ2の進行性膵臓がんであることが判明した。医者の所見では、本人の痛みが激しく動脈にもがんが達している可能性があり、開腹する必要があるという。 
 ブルゴスさんの妻は8月20日、在留特別許可を法務省と大阪入管に申し入れた。妻は「急激に夫はやせてきており、もう時間がない。適切な医療が受けられるよう在留資格を出してほしい」と訴え、妹は「私たちの祖父は日本人。兄の命はいま1秒ずつ削られている。どうか助けてください」と涙を浮かべた。
 ブルゴスさんは、在留資格がないため国保に加入できず、7、8月の入院費用82万円も支払えていない。今後、抗がん剤治療と手術で、さらに数百万が必要といい、弁護士の事務所で寄付も募っている。
 中井弁護士は「1月から体調が優れないと連絡があり心配していたが、8月に『膵臓がん』と聞き言葉がなかった。進みも早く残された時間がない。入管庁は、人道上の観点からも在留資格を与えてほしい」と話す。
 寄付は暁法律事務所のウェブサイトで募っている。
 
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