<野党に問う>社民・福島瑞穂党首インタビュー 「全ての人の命と尊厳が守られる社会を」
2021年9月1日 06時00分
―目指す社会像をひと言で言うと何か。
「『全ての人の命と尊厳が守られる社会』だ」
「『全ての人の命と尊厳が守られる社会』だ」
―それに込めた思いは。
「自公政権によって新自由主義的政策が続き、労働法制の規制緩和は止まらず、社会保障や医療の切り捨てが進んでいる。新自由主義の本質は、一握りの人たちのための政治だ。それへの対抗原理が私たちの社会民主主義で、全ての人のための政治をやることだ。子どもたちが自分のなりたいものに挑戦でき、全ての人の尊厳が守られる社会を実現する」
―菅政権の問題点は。
「こんなに命が顧みられない政治はない。需要喚起策『Go To キャンペーン』では国民の命と暮らしより経済を優先した。五輪開催の強行も、経済とメンツのために何としても遂行するという態度だ。もう1つ挙げると、共感する力がない。政府はコロナ感染者の自宅療養を進めるが、自宅では家族にうつすかもしれないし、独り暮らしでは買い物にも困る。救急車呼ぶ間もなく死ぬかもしれない。政府の議論と、人々がつらい、大変だと感じていることをつなぐ回路がなくなっている。次の衆院選は命と暮らしと人権を大事にする政治勢力と、それらを踏みにじる勢力の激突だと思っている。負けるわけにはいかない」
―どう転換を図るか。
「国民が主権者でみんなのための政治を取り戻す。一握りの人たちが家業として政治をやっているのはおかしい。いろんな背景を持つ人が意思決定の場に来るべきだし、女性が半分を占めるべきだ。そうすれば政治の優先順位は明確に変わる。(待機児童政策を巡る2016年の)『保育園落ちた』の動きだって、その課題が切実だと思う人が発言しなかったら、上位の政治課題にはならなかった」
―多様な人の政治参加を促すには何が必要か。
「今の若い人たちは、何か自分の努力が足りないと思い込んでいて『自助』が骨の髄まで来てしまっている。この社会の生きづらさを、政治が解決しなければならない。政治が自分たちのことを考えて解決してくれると思えば、政治をもっと変えていこうと思うのではないか。検察庁法改正案への抗議や生理の貧困の問題など、若い人たちが新しい感覚でいろんな発言をし始めているのは政治の希望だと思っている」
―当面、実現したい政策は。
「まず、税金の取り方と使い方を変える。生活再建のために消費税は3年間ゼロにし、大企業がため込んだ内部留保に課税して財源にする。使い方では、コロナ対策として営業自粛の要請は補償とセットで行うようにする。生活困窮者には特別給付金10万円を給付する。次に格差や貧困の解消だ。非正規雇用に歯止めをかけ、最低賃金を時給1500円に引き上げたい」
―昨年、立憲民主党との合流を検討したが、結局党存続の道を選んだ理由は。
「デジタル庁関連法、改憲手続きを定める国民投票法改正、重要土地規制法に反対。核兵器禁止条約も批准すべきだ。野党共闘も大事だが、こういう立場でぶれない政党が必要だからだ。もう一つは、社民党は全国各地の反原発運動などの現場とつながっており、党が無くなれば国政と現場のつながりが無くなってしまうこと。政治は国会だけでやっているのではない。古い社会党や社民党のままではなく、私たちは市民のプラットフォームで何でもできる政党でありたい」 (聞き手・横山大輔)
社会民主党 1996年、55年体制下で野党第1党だった日本社会党が党名を変更。所属議員は衆参1人ずつ。2020年に立憲民主党への合流構想が浮上し国会議員2人が離党したが、党は存続した。「平和・自由・平等・共生」を理念とする「社会民主主義」の実現を掲げる。
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