米兵器など購入のローンは過去最大の2兆7963億円、残高は5兆6597億円 22年度防衛省概算要求

2021年8月31日 21時23分
 2022年度予算編成で財務省は31日、各省庁からの概算要求を締め切った。防衛省の要求額は5兆4797億円。21年度から100億円減り、過去2番目の規模だった。21年度当初予算比では2.6%の増額となる。米国などの兵器をローンで購入するために計上する「新規後年度負担」は、21年度当初比7.8%増の2兆7963億円で、過去最大を更新。ローン残高は5兆6597億円まで積み増す見通しだ。(上野実輝彦)

 新規後年度負担 高額兵器の購入代金を複数年度に分割して支払う、実質的なローン制度。購入代金の一部しか単年度予算に計上されないため予算総額は小さく見えるが、支払いきれなかった部分は次年度以降の「ツケ」として残る。ローン残高は膨らみ続け、年間の防衛費全体を上回る規模になっている。

◆「防衛力強化の決意」反映

 防衛費を巡っては、自民党国防部会などが6月、他国の軍事費増強や安全保障環境悪化を理由に「抜本的な増額」を求める提言を菅義偉首相に提出。首相も4月の日米首脳会談で「同盟と地域の安全保障を強化するため、自らの防衛力を強化する決意」を表明し、共同声明に盛り込んでいた。
 防衛省担当者はこうした方針が「新規後年度負担に表れている」と説明。22年度の新規ローンが返済額を5000億円余上回ったため、残高がさらに増えた。
 米国製兵器を購入する際に多く適用される契約方式で、米政府が一方的に契約価格や納入期限を変更できる「対外有償軍事援助(FMS)」による調達費は3547億円。21年度概算要求比で7.9%増となった。最新鋭ステルス戦闘機F35A8機(779億円)やF35B4機(521億円)、イージス艦に搭載する迎撃ミサイルSM6(207億円)などの購入費が額を押し上げた。

◆ドローン対策、無人機などの研究も重視

 従来の軍事バランスを大きく変えうる「ゲームチェンジャー」と呼ばれる技術の研究も重視する方針で、ドローン攻撃への対処技術の研究費(86億円)や、無人機導入の検討費用(98億円)などを盛り込んだ。例年、2000億円程度に上る米軍再編関連経費は金額を示さない事項要求としており、この分を追加すると予算総額はさらに膨らむ見通しだ。

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