コロナより党内権力闘争…菅政権は「末期症状」 総裁任期切れ直前の党役員人事に自民内から反発

2021年9月1日 06時00分
 自民党総裁選(9月17日告示、29日投開票)に先んじて、菅義偉首相(党総裁)は二階俊博幹事長の交代を含む党役員人事を行う意向だ。だが任期切れ間近の「禁じ手」(閣僚経験者)に党内はかえって反発が広がっている。一方、新型コロナウイルス対応などで野党が憲法53条に基づき要求した臨時国会の召集は拒否。感染拡大への国民の不安をよそに「コップの中の権力闘争」(立憲民主党の辻元清美氏)が目立ち始めた。(川田篤志、山口哲人)

◆なりふり構わず

 新型コロナ対策が後手に回っている影響で内閣支持率の低迷が続く中、党内では若手・中堅を中心に、首相の総裁再選で衆院選を戦うことへの不安が高まっている。首相が党役員人事を行うのは、既に立候補表明した岸田文雄前政調会長が掲げた党役員に任期制限を設ける改革案に対抗し、総裁選での「争点をぼかす」(参院幹部)ことで、自身への批判票を抑え込む思惑があるとみられる。
 奇手に打って出た首相に対し、党内のベテラン議員は「新総裁が誕生する可能性があるのに人事権を行使するのは僭越な越権行為」と批判。中堅議員も「小手先のことをやっても国民には通じない。こんな時期に人事をやるなんて末期症状だ」と突き放している。

◆臨時国会拒否は「違憲」か

 立民など野党4党が憲法53条に基づいて要求した9月上旬からの臨時国会召集を巡っては、自民党の森山裕国対委員長が31日、立民の安住淳国対委員長と国会内で会い、応じない考えを伝えた。森山氏は、新型コロナ対応で本年度予算に盛り込まれている予備費に余裕があることや、政府内で新年度予算編成を急ぐ必要があることなどを理由に挙げた。
 憲法53条は、衆参いずれかの総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は臨時国会召集を決めければならないと明記する。森山氏は記者団に「いつまでに開かなければいけないという定めはない」と強調したが、那覇地裁は昨年6月、内閣の法的義務を認め、要求を拒めば「違憲と評価される余地がある」という判断を示している。

◆総選挙突入も「憲法違反」

 安住氏は会談後、記者団に「このまま国会を開かず総選挙に突入すれば、明らかに憲法に反する」と指摘。立民の枝野幸男代表は記者会見で「(コロナ禍でも)党内の権力闘争をやっていられる場合だと自民党は考えている」と批判した。

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