「戻る希望あれば除染して解除」政府が原発事故の帰還困難区域で新方針 全面解除は見えぬまま

2021年8月31日 21時42分
 東京電力福島第一原発事故の放射能汚染で福島県内7市町村に残る帰還困難区域について、政府は8月31日、戻って暮らしたい人の求めに応じ、2029年までに自宅などを除染して部分的に避難指示を解除する方針を決めた。被災自治体が求める全面解除への道筋は示さず、希望がなければ除染しないことになる。
 対象は、帰還困難区域内で人が暮らせるよう除染や整備を進めている「特定復興再生拠点区域」から外れた地域。住民の意向を複数回確認してから、戻ることを望む人の自宅や周辺を個別に除染し、上下水道などのインフラを整備する。
 全町避難が続く双葉町の担当者は「一歩前進だが、町内全ての除染と避難解除を求めることに変わりはない」。浪江町の担当者は「住民からは『戻れる状態にしてから意向を確認するべきで順序が違う』と批判があり、今後の調整も難航しそうだ」と話した。
 帰還困難区域内の4月時点の住民登録者は約2万1700人。南相馬市以外の六町村で整備が進む特定復興再生拠点区域は、22~23年に避難指示が解除される見通し。拠点区域外の住民登録者は約8300人。(小野沢健太)

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