絵本「11ぴきのねこ」作者・馬場のぼるさん 軌跡、人柄 まるごと紹介  没後20年記念 練馬で企画展

2021年9月1日 06時42分
 絵本「11ぴきのねこ」で知られる漫画家、馬場のぼるさん(一九二七〜二〇〇一年)の没後二十年を記念した企画展「まるごと馬場のぼる展 描いた つくった 楽しんだ ニャゴ!」が練馬区立美術館で開かれている。絵本や漫画など仕事の軌跡とともに、作品にも投影されている馬場さんの人間性を伝える内容だ。(小林由比)

「11ぴきのねことぶた」こぐま社、1976年刊 印刷原稿 特色刷り校正用リトグラフ・紙 こぐま社蔵

 馬場さんは青森県三戸町出身。練馬区は亡くなるまでの約五十年間、暮らしたゆかりの地だ。
 一九五〇年から少年誌で連載漫画を手掛けるようになった馬場さんは、手塚治虫さんや福井英一さんとともに「児童漫画界の三羽ガラス」と呼ばれ、人気を集めた。その後、表現の場を絵本に移し、六七年にこぐま社(文京区)から出版された「11ぴきのねこ」は、今も親しまれている。
 11ぴきシリーズはライフワークとなり、六作を残しているが「私は、いわゆるねこ好きではなく、ねこを描くのが好きなのです。ねこの生き方は人間に似て、面白いです」と語っていた馬場さん。
 展示では、こぐま社が採用していた特色刷りの原稿を展示。馬場さんが一色ずつ色版を描いた過程を見ることができる。11ぴきのねこの原点となった文字のない漫画「ニャンニャン曼荼羅(まんだら)」も初めて公開されている。

馬場さんの代表的な漫画作品の一つ「ブウタン」(「ブウタン」『幼年ブック』集英社、1954年掲載 漫画原稿 墨、水彩等・紙 こぐま社蔵)

 絵本作家として知られるが「漫画家が絵本を描いている」というスタンスにこだわっていたという。児童漫画「ブウタン」の原画のほか、大人向けの漫画、新聞の連載漫画なども紹介。絵本も漫画も、作品に通底するのは、人を傷つけないユーモアや、人間のおかしみやかなしみを感じさせる表現だ。
 担当編集者として創作を見てきたこぐま社元編集長の関谷裕子さんは「一貫して『笑い』を意識し、大切にしながら描いてきた人だと思う。絵本だけではない馬場さんの幅広い表現に触れる機会になれば」と話している。

絵本原画などが展示されている「まるごと馬場のぼる展」=練馬区で

 企画展は十二日まで。午前十時〜午後六時。月曜休館。一般千円、高校・大学生と六十五〜七十四歳は八百円、中学生以下と七十五歳以上は無料。問い合わせは練馬区立美術館=電03(3577)1821=へ。

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