飯塚幸三被告に「罪と向き合ってほしい」 遺族の松永拓也さんが判決を聞いて抱いた期待

2021年9月2日 19時04分
判決を受け、亡くなった妻真菜さん、長女莉子ちゃんの遺影を前に記者会見する松永拓也さん(右)と真菜さんの父の上原義教さん=2日、東京・霞が関の司法記者クラブで

判決を受け、亡くなった妻真菜さん、長女莉子ちゃんの遺影を前に記者会見する松永拓也さん(右)と真菜さんの父の上原義教さん=2日、東京・霞が関の司法記者クラブで

 東京・東池袋の乗用車暴走事故で妻の松永真菜さん=当時(31)=と長女莉子ちゃん=同(3)=を亡くした遺族の松永拓也さん(35)は2日、刑事裁判の判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。松永さんは、検察側の主張が全面的に認められた判決に「遺族が前を向いて生きていくきっかけになりえる。裁判に参加して本当によかった」と語った。
 判決で真菜さん、莉子ちゃんの苦しみに言及され、遺族の気持ちに寄り添った内容だったことで涙が出たという松永さん。予定より15分遅れで始まった記者会見には目が赤いまま臨んだ。
 飯塚幸三被告(90)は公判中、車の不具合が原因と主張し、自らの過失を認めなかった。松永さんは被告人質問の直後の会見で「荒唐無稽な主張をされ続け、事故後で一番絶望した」と憤りを露わにしていた。この日の判決で、飯塚被告の主張は一蹴された。裁判長は判決後の説諭で「過失は明白。判決に納得できるなら被害者遺族に真摯に謝っていただきたい」と述べた。
 松永さんは「(飯塚被告が)客観的な事実を受け入れるラストチャンス。心からの謝罪のラストチャンスだと思う」と受け止めた。飯塚被告に向けて「もう一度、自分自身に問い掛けてほしい」とも語った。
 禁錮5年の長さに、真菜さんの父親の上原義教さん(64)は「納得するしかないと思う」と複雑な心境をのぞかせた。松永さんは「何より二人の命と、罪と向き合ってほしかった」と、年数よりも飯塚被告の態度を重視した。
 同席した弁護士は、裁判長が説諭で「判決に納得できるなら被害者遺族に真摯に謝っていただきたい」とさとした場面では飯塚被告がうなずき、納得できないなら控訴できるとした場面では無反応だったと紹介した。松永さんは「それが本心であってほしいなと思います」と期待を口にした。(福岡範行)

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