飯塚被告への判決は、なぜ「禁錮5年の実刑」だったのか 身柄は今後どうなるのか

2021年9月3日 06時00分
池袋暴走事故の発生直後、現場を調べる警察官=2019年4月、東京都豊島区で(本社ヘリ「あさづる」から )

池袋暴走事故の発生直後、現場を調べる警察官=2019年4月、東京都豊島区で(本社ヘリ「あさづる」から )

 東京・池袋の乗用車暴走事故で2日、禁錮5年の実刑判決を受けた飯塚幸三被告(90)。禁錮7年を求刑した検察側のほか、専門家も被害者感情を酌んだ厳しい判断とみる。実刑判決で今後、高齢の被告の処遇がどうなるかも注目される。(小沢慧一、山田雄之、奥村圭吾、三宅千智)
 交通事故裁判に詳しい園高明弁護士は「遺族の思いに寄り添った重い判決」と話す。飲酒、無免許運転などに比べ、不注意などの「過失」が原因の場合は実刑にならないケースも多く「被告が踏み間違いを否定し続けたことは『反省の念がない』とみられた。被害者参加制度で被害者側の処罰感情を訴える機会が多かったことも影響したのではないか」と指摘した。
 法務・検察側にも、予想以上に重い判決との受け止めが広がる。ある検察幹部は「絶対に実刑にしてほしいというメッセージも込めて7年を求刑したが、2人死亡の交通事故として、3年6月~4年くらいの可能性もあると思っていた」。
 「殺人事件などと違い、あくまで過失事件。世論の影響を受けたのでは」と話す法務省幹部も。別の検察幹部は「客観的な証拠が示されているのに過失を認めない飯塚被告の態度や、遺族、社会の処罰感情をものすごく重く見た判決だ」と評価した。
 弁護側、検察側のいずれかが控訴すれば、東京高裁で審理が続く。逮捕されずに在宅のまま起訴されているため、刑が確定しなければ収監はされない。
 飯塚被告は公判で「刑務所に入る覚悟はあるか」と遺族に問われ「あります」と答えたが、控訴には「なるべくしないと思う」と述べるにとどめた。
 実刑判決が確定の場合も、刑事訴訟法に例外規定がある。懲役刑や禁錮刑の受刑者に、著しく健康を害する恐れや命に危険が生じる可能性があれば、検察官の判断で刑の執行を停止できる。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「医師と相談し、刑務所の生活に耐えられるかを慎重に判断するだろう」と話した。

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