市内唯一のアーケード、解体始まる 「蔵の街」支えて60年 「寂しい思いあるが 役割終えた」

2021年9月3日 07時13分

アーケードの解体、撤去作業を見守る銀座通り商店会の江田喜久雄会長(右手前)=栃木市で

 栃木市倭(やまと)町の銀座通り商店会に設置された市内唯一のアーケードを解体、撤去する工事が二日朝から始まった。高度経済成長期の一九六〇年代に造られ、「蔵の街」のにぎわいに貢献してきたが、約六十年を経て雨漏りなど経年劣化が深刻化。危険性を指摘する声も出ていた。江田喜久雄会長(67)は「寂しい思いもあるが役割を終えたということ。銀座通りの再生へ、一歩目を踏み出したととらえている」と前向きに話した。 (梅村武史)
 銀座通り商店会は、中心市街地を東西に走る県道の沿道約八十メートルに広がる。南北に平行する蔵の街大通りと観光名所の巴波(うずま)川を結んでいる。
 アーケードは店舗前の歩道上に約三メートル突き出す形で連なっている。一九六二年の店舗火災をきっかけに道路が拡幅されて歩道ができ、当時約四十あった店舗は競うように独自のアーケードを設置していった。形状や色、大きさが不統一なのはそのためだ。
 撤去工期は今月下旬までで、南側から始まった。アーケード撤去後の各店舗の壁面には瓦の装飾を施して景観に配慮する。商店会のシンボル「ペリカンマーク」の看板は取り外す方針。
 解体費は約一千万円。国と市が観光振興や景観向上の名目で約六百万円を負担し、残りを商店会で担う。江田会長によると、現在残る十六軒の店主と地権者らの合意取り付けに一年半を費やしたという。
 銀座通りは将来、電線の地中化も検討されている。同商店会で約九十年続く呉服店「丸萬(まるまん)」の三代目、小林由幸さん(72)は「往来する人でごった返していた昔が懐かしい。かつての輝きを取り戻すためみんなで話し合っていく」と語った。

多くの人出でにぎわう昭和30年代の銀座通り(小林由幸さん提供)


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