菅首相退陣へ「辞めるしかなかった」 お膝元の横浜の飲食店・有権者、コロナ禍で苦境

2021年9月4日 10時04分

小雨が降る野毛地区。金曜日にもかかわらず、休業の店が目立ち、人通りは少ない=横浜市中区で

 神奈川県内選出の菅義偉首相が自民党総裁選に不出馬を表明した3日、新型コロナウイルスの影響で苦境が続く地元の飲食店経営者や有権者らから「辞めるしかなかった」などと厳しい声が聞こえた。
 飲食店が立ち並ぶ横浜市中区の野毛地区。野毛飲食業協同組合の田井昌伸理事長(65)は「辞めるしかなかった」と突き放す。酒類の提供停止要請を受け、経営するとんかつ店「パリ一」を五月から休業中。「店の準備には時間がかかるのに、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言は直前に延長されるばかり。実情を考えているのか」と憤る。
 焼き鳥店「華蔵(かぐら)」店主の蔵並淳さん(38)は「変化はうれしい」。テークアウトやランチ営業を始めるなど試行錯誤するが、客足は戻らない。「政治のせいだけではないと思うが結果として街は停滞している。好転を期待したい」と話した。
 東京五輪の野球、ソフトボール競技が実施された横浜スタジアムがある同区の横浜公園。ベンチで休んでいた同区の金沢広昭さん(69)は「新型コロナウイルス対策にスピード感がなかった。本人は『関連はない』と言ったが、五輪開催を強行したことが感染拡大につながった」。長女(3つ)と散歩に訪れた派遣社員の女性(27)=中区=は「『国民の命を守る』と繰り返していたのに感染が収まっていない状況で首相の座を放り出すのは無責任」と憤った。
 首相就任時に祝意の横断幕を掲げた地元・横浜橋通商店街(南区)では協同組合の高橋一成理事長(70)は「苦しい思いをして悪者になってしまった。コロナ禍で誰が首相になっても難しい中、長い目で見たかった」と思いやった。洋服店を営む男性(68)は「応援していたけどパッとしなかった」。買い物に来た南区の無職男性(67)は「今の自民党では誰がやっても菅さんと同じ結果になるだろう」と話した。(米田怜央、酒井翔平、丸山耀平)

関連キーワード


おすすめ情報

神奈川の新着

記事一覧