<コロナ緊急事態>県内自治体 水道料金減免、広がる 川口市は値上げ、市民反発

2020年5月17日 02時00分
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い事業所や家庭の収入が減少する中、県内の自治体で水道料金を減免する動きが広がっている。水道は命を支える重要なインフラ。国も自治体に対して、生活困窮者向けに料金の支払い猶予期間を設けるよう要請している。一方で、決まっていた値上げのタイミングと重なり、市民の反発を招いている自治体もある。 (寺本康弘、加藤木信夫、近藤統義)
 「即効性のある支援策になる」-。所沢市は、市内の全利用者を対象に、二カ月分の水道料金を免除すると発表した。対象は事業所を含む全水道利用者で、地域により四、五月分または五、六月分の使用分が免除される。免除総額は約九億五千万円の見通し。
 加須市は、官公庁をのぞく約四万九千戸を対象に基本料金四カ月分を免除。自粛要請などで企業の活動が縮小し、個人が家庭で過ごす時間が長くなり幅広く影響を受けているため、総合的な支援が必要と判断した。蓮田市は、市内全戸を対象に、水道料金の基本料金(二十立方メートルまで)とメーター使用料を六月検針分から半年間、半額にする。
 一方、川口市は九月一日から平均25・01%の値上げに踏み切る。これに対し、コロナ禍の中で負担がさらに増すとして市民団体が十五日、撤回を求める署名約八千七百三十筆を市に提出した。
 市によると、水道料金改定は、平均14・7%値上げした二〇〇〇年以来。値上げ分は老朽化した水道管などの工事費に充てる。市の審議会が昨年七月から議論し、十一月に市長に答申。今年三月の市議会で関連議案が可決された。
 市民団体の共同代表、生田功子(のりこ)さん(83)らは記者会見し「この大変な時期に値上げは許されない。市民に負担を強いるなら、丁寧に説明するべきだ」と訴えた。市が審議会の議事録を「検討段階で公になると混乱を生じさせる」として答申後まで非公開にしたことも問題視している。
 市の担当者は「水道施設の計画的な更新のために改定はやむを得ない。他市のような一斉減免は考えていないが、個別の事情に応じて支払い猶予などはしている」と理解を求めた。

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